クラウド導入の加速と拡大に伴う新たな課題にどう取り組むか
今回は「クラウド導入の加速と拡大に伴う新たな課題にどう取り組むか」についてご紹介します。
関連ワード (クラウド等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
クラウドへの移行を急ぐあまり、自社の能力以上に背伸びをしているということはないだろうか。クラウドへの移行は、テクノロジー管理にまつわる頭痛の種までもサードパーティープロバイダーの手に委ねるという話ではない。むしろ、クラウド移行をやみくもに急げば、組織の能力が追いついていけないという問題を抱える結果になりかねない。
コロナ禍を受け、2020年にはクラウドの導入が急増し、2021年にはさらに移行が進んだ。クラウドブームとも言えるこうした現象に終わりは見えず、それとともにテクノロジーチームは新たな課題に直面している。
これは、Harvard Business Review Analytic ServicesがSplunkの依頼を受け、300人のIT幹部を対象に実施した最近の調査で明らかになった要点だ。同調査によると、現時点では多くの組織が依然として、自らのテクノロジーシステムの多くを組織内に抱えているという。しかし、オンプレミス環境でのITシステムに別れを告げる時が迫りつつある。状況は今後、劇的に変化し、2年以内にはほとんどの企業が主な業務をクラウド上で運用するようになっているだろう。
同調査の回答者の67%は、計画していたクラウドアプリケーション/サービス/インフラの導入や実装を過去1年で加速させたと答えている。前年の調査では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックを受けて、導入や実装を加速させたと答えた回答者の割合は56%だった。
同調査では、クラウドへの移行が今後も加速し続けていくことが示されている。回答者の多く(65%)は、現在抱えているITポートフォリオの60%以上が2年以内にクラウド上に置かれるようになるだろうと予想している。これは、現時点から30ポイントの増加になる。また回答者の85%は、少なくとも40%が2023年までにクラウド上に置かれるようになると答えている。同様にこれは、現時点から32ポイントの増加となる。
同調査のレポートは「しかし、クラウド導入の急激な加速や拡大によって、統合や管理という面のみならず、新たなサイバーセキュリティやデータのプライバシー、ROI(投資収益率)指標、クラウドの人材に関連する懸念という面でそれ相応の課題がもたらされている」と指摘するとともに、「多くの回答者は、オンプレミスのシステムを使いつつクラウドを利用しており、当面はそうしたハイブリッドクラウドインフラを維持することになると見込んでいる。このような複雑な環境の効率的な管理に困難が伴うのは明らかだ」と記している。
まず、IT幹部の62%は急速に進化しつつあるテクノロジー上の役割と、増加するクラウド導入の管理に対する責任を果たしていくのが困難だと答えている。また、異なった環境をまたがるデータの管理も新たな課題を生み出している。同レポートにはFranciscan Allianceの情報セキュリティ責任者であるJay Bhat氏の「利用するクラウドプロバイダーやクラウドアプリケーションを増やせば増やすほど、複雑さは大きく変わっていく」という言葉と、「新たな環境を追加するたびに、データを共有したり保護する方法とともに、環境をまたがったデータ移送の際に適切なデータのみが移送されることを保証する方法が複雑化していく」という言葉が記されている。