2023年のハイブリッド/リモートワーク–多数の調査から導き出されたトレンド
今回は「2023年のハイブリッド/リモートワーク–多数の調査から導き出されたトレンド」についてご紹介します。
関連ワード (ハイブリッドワークでのデータセキュリティ、特集・解説等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、世界中の多くのセクターの従業員が、それまでの日常だったオフィスへの通勤を断念せざるを得なくなり、自宅でのリモート勤務を選ぶようになった。全員ではないにせよ多くの人が、在宅勤務によって自由になり、生産性を維持しつつワークライフバランスが改善したと感じている。
2022年を通して制限の解除が始まり、フルタイムのオフィス勤務に戻った従業員もいるが、職場にはパンデミックの影響が残った。それは、一部の従業員がフルタイムのリモートワークを続ける一方で、オフィス勤務と在宅勤務の時間を分けるハイブリッド型のアプローチを多くの従業員が選択したことだ。
自宅から柔軟に働くという選択肢は権利であり、雇用主からの(時には嫌々ながらの)贈り物ではない、とみなされることが増えている。
リモートワークやハイブリッドワークをめぐっては、未解決の問題が数多くある。その1つが、変化するサイバーセキュリティ環境であり、米ZDNETの今回の特集のメインテーマだ。
この記事では、より広い視点に立って、従業員と企業双方にとってのハイブリッドワークの体験と頻度に関する最近の調査の結果を考察するとともに、将来の予測に関する記事を分析し、この分野における2023年とそれ以降の最も重要なトレンドを評価する。
OktaはStatistaと共同で欧州のデジタルワークプレイスの意思決定者524人(英国、ドイツ、フランス、オランダ、スウェーデン)を対象に現地時間2022年9月22日から10月3日にかけて調査を実施した。その回答から、ハイブリッドワークがパンデミック下での危機管理対策という域を超えて、職場環境の確立された機能になったことが裏付けられた。
「The Okta Hybrid Work Report 2023」の主な調査結果には、次のようなものがある。リモートワーカーが高い生産性を発揮し、ハイブリッドワークが定着したが、オフィスの人気も根強いため、企業はオフィススペースの再構成に投資して、リモートの従業員とのコワーキングや共同作業に対応しようとしている。しかし、働き方のモデルは絶えず再評価されているため、生産性ツールやセキュリティソリューションはそれに合わせた進化が必要になるだろう。
従業員体験、すなわち生産性と幸福感を組み合わせたものが、欧州におけるハイブリッドワークの主な推進力であることが、Oktaの調査で明らかになった。その結果、企業は分散型ワークフォースのさらなる成功に向けて重点的に投資している。
職場戦略が環境に及ぼす影響も注視されている。72%の回答者が、環境・社会・企業統治(ESG)への投資がこの3年間で増加したと答えた。この調査では、ハイブリッドワークの実現という課題がCレベル幹部全体(財務、執行、IT、セキュリティ、技術、人事の幹部を含む)のものとなり、最高経営責任者(CEO)の支持を得ていることも浮き彫りになっている。
Oktaの調査におけるハイブリッドワーク関連の最大の課題と優先事項は、「サイバーセキュリティの強化」と「適切な共同作業」だった。これにより、ビジネスリーダーにとっての重要な課題が明確になった。それは、利便性と使いやすさを求めるハイブリッドワーカーやリモートワーカーのニーズと、強固なセキュリティとコンプライアンスに関する組織の要件を両立させることだ。
そのために必要になるのが、デバイス管理戦略(この調査で最も多かった回答がChoose Your Own Device、すなわちCYOD)のテストや、従来のネットワーク境界を越えて広がる分散型ワークフォースへのサイバーセキュリティ提供を目的としたIDベースのゼロトラストモデルの導入、ビデオ会議と共同作業のテクノロジーへの投資である、とOktaのレポートは結論づけている。