日本の公共機関のSSD廃棄費用は年間約5億3000万円–Blancco調査
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データ消去などを手がけるBlancco Technology Groupの調査によれば、省庁や地方自治体のデータ保存に使われたSSDの廃棄には、年間で約5億3000万円の費用がかかっていることが分かった。同社は環境面への配慮からも代替策の検討を提唱している。
調査は、Blanccoの委託でColeman Parkes Researchが2021年12月~2022年1月に実施したもの。米国、カナダ、英国、フランス、ドイツ、日本、シンガポール、インド、オーストラリアの公共組織に所属するIT担当職員を対象に行い、596人から回答を得た。日本では中央省庁および地方公共団体の60人が回答した。
それによると、日本ではSSDの物理的に破壊して廃棄するために発生している支出が毎年約1億8400万円に上り、SSDの交換にかかる支出の同約3億4600万円と合わせて、使用可能ながらも廃棄されるSSDの費用が同約5億3000万円に上る。
総務省のガイドラインでは、マイナンバー利用事務系における住民情報を保存する記憶媒体については廃棄時に物理破壊、それ以外の機密性の高い情報を格納する記憶媒体についても研究所レベルでの復元が不可能なデータの消去などが規定されている。Blanccoは、「機密以外のデータを保存していたIT資産については物理破壊以外のデータ消去ソリューションを適用できる」と解説する。
国内回答者の39%は、機密データを保存しているSSDの物理破壊が義務付けられていることを理解した上で、万一を考えて使用した全てのSSDを物理破壊した上で廃棄しているとした。49%は物理破壊が他の方法より安価だとし、19%はデータを消去処理する代替策を知らなかったとした。ただ、所属組織での廃棄プロセスに「やや自信がある」は47%、「完全に自信がある」は17%にとどまり、37%は物理破壊するデバイスあるいはストレージを組織外に送り処理しているとした。
なお回答者全体の60%は、SSDを物理破壊するより再利用する方が環境のためには良いとした。97%は所属組織で「IT機器の廃棄がもたらす環境への影響を低減する計画が策定されていると答えたが、計画を実行しているとした回答者は22%だった。
調査結果についてアジア太平洋(APAC)地域ディレクターの森田将幸氏は、公共機関が機密性の高い情報を取り扱うことに対する責任、情報漏えいなどのセキュリティリスク、国際的な持続可能性への取り組みなどさまざまな状況に直面し、セキュリティを維持しつつ持続可能性への取り組みを示す上で、SSDのデータ消去と処理方法についての適切な代替策を探るべきと指摘。デバイスの寿命延長や、使用不可能なSSDではデータ保護を適用することで、数億円もの予算を節約できるとしている。