ウクライナのソフトウェア開発者は今どうしているのか
今回は「ウクライナのソフトウェア開発者は今どうしているのか」についてご紹介します。
関連ワード (経営等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
「娘は繰り返し、『私たちは死ぬの?』と尋ねてきました」
「Mac」の人気アプリケーション「Unclutter」の開発者であるEugene Krupnov氏は、8歳の娘にポップカルチャーを引用したブラックユーモアで答えている自分に気づいたという。「私はそれに、『ゲーム・オブ・スローンズ』に出てくるアリアのせりふを引用して、『今日じゃないよ』って答えていたんです」
現地時間2月24日、Krupnov氏と同氏の家族はキーウから避難した。同氏は「キーウから逃げる間にも、砲撃が激しくなっていくのを耳にしましたし、高速道路の信じられないような渋滞や、あらゆるガソリンスタンドに果てしなく車が並んでいるのを目にしました。その時は夜でした。まるで黙示録のようでした」と話した。
「出発した日の翌日、キーウの自宅からさほど遠くない高層ビルに、敵のロケット弾が命中しました」と同氏は米ZDNetに語った。
ウクライナのIT産業は非常に規模が大きい。Bloombergによれば、同国には25万人のITプロフェッショナルがおり、その多くはAppleやGoogle、Lyft、Ubisoft、Daimler、BMW、Citi、JPMorganなどの大手企業にコーディングサービスを提供している。The Wall Street Jounalの記事では、業界団体であるウクライナIT協会(IT Ukraine Association)の統計を引用して、同国の2021年のITサービス輸出額は前年比36%増の68億ドルで、2020年の50億ドル、2019年の42億ドルよりも大幅に増加したと述べている。またウクライナの開発アウトソーシング企業であるDaxxは、SkillValueの調査レポートを引用し、同国は優れた開発者を擁する国で世界第5位だと紹介している。ウクライナには、独自のソフトウェア製品を開発しているベンチャー企業も数多く存在する。この記事では、そのうちの8社に話を聞いた。
Tanya Vert氏はBeLight SoftwareのPRスペシャリストだ。筆者は以前から何度か同氏と話をする機会があり、特に「Live Home 3D」のレビューを行ったときには長く話した。この記事のアイデアは、筆者が最近、Live Home 3Dを使って自宅の作業場を模様替えしているときに思いついた。筆者はそのとき、私がこの製品を使って模様替えをしている間に、ウクライナの開発者は家を失っているのだと気づいた。BeLightのチームは現在、ウクライナ中に散らばっており、約半数がオデーサにいるという。
筆者がVert氏に様子を尋ねると、同氏は「1日に何度も空襲警報が鳴り、ずっと爆発音が聞こえています。一般市民は毎日数時間は避難所で過ごしています。オデーサには地下鉄がないため、地下駐車場、地下室、建物内の廊下などが避難所として使われています。海の上空では毎晩ミサイルやドローンが飛び交い、対空攻撃が展開されています」と話してくれた。