「日本企業のAI活用は転換期」と日本IBM幹部が主張する理由とは
今回は「「日本企業のAI活用は転換期」と日本IBM幹部が主張する理由とは」についてご紹介します。
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「日本企業のAI活用は転換期を迎えている」――こう語るのは、日本IBMでさまざまな業務に活用するAI事業の推進役を担う執行役員テクノロジー事業本部データ・AI・オートメーション事業部長の塩塚英己氏だ。「転換期」とはどういうことか。
日本IBMは先頃、年次レポート「世界のAI導入状況2022(Global AI Adoption Index 2022)」の調査結果を踏まえ、IBMが考えるAIの本格活用に向けた取り組みについてオンラインで記者説明会を開いた(写真1)。
塩塚氏はまず、世の中のAI活用に関する大きなトレンドとして、「近年、多くの企業がデータやAIの活用によるビジネス変革を成長戦略の重要な柱として挙げている」と述べ、「AIはもはや一部の専門的なデータサイエンティストによる実験の段階を超え、AIをビジネスの現場でどう活用していくかという点に主な関心が移ってきている」との見方を示した。そうした中で冒頭に記したように、日本企業がAI活用において転換期を迎えていることを強調した。
転換期とはどういうことかを探る前に、塩塚氏の説明の中から、2つの図を紹介しておこう。
図1は、上記の年次レポートの概略だが、その中でも象徴的な調査結果が図の右側の円グラフに記された「AIの導入率」だ。今回(2022年)の調査でAIを業務に利用している割合は35%と、2021年に比べて13%増加したとの結果が明らかになった。この結果について塩塚氏は、「AIの導入は着実に進んでいる一方で、まだまだ拡大の余地があるとも受け止めた」という。
図2は、年次レポートから見えるAI活用を取り巻く3つの動向を記したものだ。1つ目は「AI活用の前提となるデータの整備が課題になってきている」、2つ目は「AIの信頼性や説明の可能性が求められるようになってきている」、3つ目は「自動化領域でのAIの導入が急速に拡大してきている」といった内容である。
こうした動向を踏まえて、AIの本格活用に向けた課題とIBMのアプローチについては速報記事をご覧いただきたい。
では、本題に戻って、日本企業のAI活用が転換期を迎えているとはどういうことなのか。