日立製作所、生成AI活用して自動車向けソフト開発を効率化する新技術
今回は「日立製作所、生成AI活用して自動車向けソフト開発を効率化する新技術」についてご紹介します。
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日立製作所は、生成AIを活用して自動車用ソフトウェアの開発効率を向上させる技術を開発した。自動車メーカーや車載器ベンダー向けに提供する。
この技術は、生成AIを用いて、車載カメラの映像から、交通状況に関する高精度な説明文を自動生成する。同社の自動車分野における豊富なナレッジを応用した独自のプロンプトにより実現した。
同技術を活用することにより、自動生成した映像の説明文を基に必要なシーンを自然言語で瞬時に検索できるようになる。さらにそれらのデータと車両の走行データなどをひも付けることで、開発の期間短縮やコスト低減に貢献できる。
先進運転支援システム(Advanced Driver-Assistance Systems:ADAS)や自動運転(Autonomous Driving:AD)などのソフトウェア開発では、走行試験時や実車での走行時に車載カメラで収集した映像データを分析し、その結果を反映させるデータ駆動型の開発が行われている。この映像データの分析にはさまざまな課題があるため多くの人材や時間が投入されている。
その課題は「映像データのため、言葉で検索するのが困難」「映像データを再生して利用したいシーンを探すため、膨大な時間がかかる」などが挙げられる。
また「交通状況の説明文を人が作成する場合、表現や情報の粒度にばらつきがあり、開発時に利用しづらい」という課題も指摘されている。一般的に映像(画像)の説明文の生成には、AIなどのデジタル技術が用いられることがあるが、一般道と高速道路の判別や歩行者の状況や周囲の自動車の状況特定など、交通状況の詳細を捉えた説明文のAIなどによる生成は困難だという。
今回開発した技術では、車載カメラの映像に対して、生成AIのみでは難しい交通状況に関する高精度な説明文を自動生成できるようにする。
「横断歩道を歩行者が渡っています」などの説明文を自動生成することで、自然言語を用いた検索が可能になるため、映像から必要なシーンを抽出する時間を大幅に短縮できる。
また交通状況を説明する文章と映像データに車両の走行データをひも付けることで、ソフトウェア開発者や評価者の作業効率のさらなる向上が図れる。
さらに生成AIを用いて文章を作成するため、人の能力や感覚に依存しない均一な品質のデータを準備することが可能となる。これにより、データの利用頻度、再利用性を向上させ、効率的なデータの活用を促進する。