Linuxを標的とする新たなステルス型マルウェア「Shikitega」が発見
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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
ステルス型の新たなマルウェアがLinuxシステムを標的に攻撃を仕掛けている。これに感染すると、デバイスの制御を完全に奪われる場合もある。またこのマルウェアはデバイスの制御を奪った上で、クリプトマイニングを行うマルウェアもインストールしているという。
このマルウェアはAT&T Alien Labsのサイバーセキュリティ研究者らによって発見され、「Shikitega」と名付けられた。研究者らの説明によると、同マルウェアはLinux OSが稼働するエンドポイントやIoTデバイスを標的にしているという。
Shikitegaは、複数の段階を経て被害者のデバイスに感染する。同マルウェアの各モジュールは、先の段階でロードしたペイロードのコマンドに応答してダウンロードを実行した後、次の段階を実行するようになっている。
同マルウェアは、わずか数百バイトのモジュールを手始めに、ペイロードを少しずつダウンロードすることで、ウイルス対策ソフトウェアによる検知を回避している。また、より検知しづらくするために、ポリモーフィックエンコーダーも使用している。
研究者らは、Shikitegaの背後にいる犯罪者らが自らのコマンド&コントロール(C&C)サーバーの一部をホストするために、合法的なクラウドサービスを悪用しているようだとも指摘している。
第1段階の感染がどのように実行されるのかは、今のところ明らかになっていないが、このマルウェアは最初のモジュールであるドロッパーから始まり、複数の段階を経て、機能の完全な実行に向けてモジュールを少しずつダウンロードしていく。これらの段階でダウンロードされるモジュールには、Metasploit Projectによって開発されている、さまざまな攻撃を実行可能にする攻撃用セキュリティツールの「Mettle」も含まれている。
同マルウェアの機能には、ウェブカメラやプロセスの乗っ取りのほか、シェルコマンドの実行などが含まれている。シェルコマンドの実行能力により、攻撃者はシステムをさらに悪用できるようになる。現時点ではこれが犯罪者の目指していることのようだ。
Shikitegaは、侵入したシステムを永続的に制御していくために、Linuxの脆弱性を悪用するモジュールをさらにダウンロードし、実行する。
悪用されている脆弱性は、Linuxカーネル内の検証処理に存在し、権限の昇格を可能にする「CVE-2021-3493」と、Linuxディストリビューションにデフォルトでインストールされている「Polkit」内に存在し、深刻なメモリー破壊を引き起こす「CVE-2021-4034」だ。
同マルウェアはこれらの脆弱性を悪用することで、最終段階のペイロードのダウンロードと実行をroot権限で行い、システムの制御を完全に奪取できるようになる。