「静かな退職」を懸念する企業へのアドバイス–やるべきこと、避けるべきこと
今回は「「静かな退職」を懸念する企業へのアドバイス–やるべきこと、避けるべきこと」についてご紹介します。
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「静かな退職」(quiet quitting)や「静かな解雇」(quiet firing)が突然、現代の職場に大きな影を投げかけるようになっている。
静かな退職とは、何らかの理由で仕事に対する熱意を失い、必要最低限の作業のみをこなして何とか1日をやり過ごそうとする従業員の働き方を指す。これが雇用者の期待に「応え、上回る」ものでないのは明らかだ。一方、静かな解雇とは、こうしたトレンドのマネージャー版であり、従業員とのかかわり合いを避け、キャリアアップの機会を与えないようにすることで、従業員に退職してほしいというメッセージを送り、その実行を心待ちにしている状況だ。
静かな退職は文字通り静かに進行するため、マネージャーが気付き、対処するのは困難だ。静かな退職というのは、オーバーワークに陥ったり、小うるさいマネージャーにより自らのワークライフバランスがないがしろにされた従業員の一部で見られる反作用だ。また、変わりゆく仕事の世界になかなか適応できないため、仕事に向かう動機付け、さらには楽しみを見いだした上で、業務に再び熱意を持てるようにするための支援を必要としている場合もあるかもしれない。
GoToの最高人材活用責任者(CPO)Jo Deal氏は、職場における静かな退職の削減に向けたアイデアをいくつか有している。
目を向けるべき一面は、従業員に対する過去数年間の処遇だ。この困難な時代に従業員に対して適切な支援を提供してきた企業では、静かな退職が少なく、大退職時代(Great Resignation)の中にあっても退職者数も少ないはずだ。
Deal氏は「どれほどの信頼関係を醸成してきたか、そして新型コロナウイルス感染症(COVID-19)禍での支援や、救済、休暇、バーンアウト(燃え尽き症候群)、メンタルヘルスといった、誰もが経験しているあらゆる物事についてどのように考えてきたかだ」と述べ、「より強固な信頼関係を醸成してきた企業では、静かな退職が少ないはずだ」と続けた。
子どもの病気や車の故障など、自身ではコントロールできない私生活での突発的事態によって仕事に影響が及ぶ場合もしばしばある。もしも個人的な突発的事態への対処が容易でないと感じた場合、そういった状況によって従業員は仕事への意欲をそがれ、尊重されていないと感じるかもしれない。Deal氏は、何かに対処するために仕事を離れなければならない場合もあり、それは当たり前の行動だということを自ら実践してみせ、従業員に示すのはマネジメントの役割だと説明した。
Deal氏は「それが人生というものだ」と述べ、「このためリーダーは範を示す必要がある。例えば、『子どもをサッカーの練習に連れて行く必要があるため、ちょっと仕事を外れる』と伝えるのだ。これによって、従業員は『そういった行動が許される』と言えるようになる」と続けた。