「クラウドで知的生産性を高めよ」–マイクロソフトが国内向け特別講演

今回は「「クラウドで知的生産性を高めよ」–マイクロソフトが国内向け特別講演」についてご紹介します。

関連ワード (クラウド等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 日本マイクロソフトは、米国時間10月12日にスタートした開発者向け年次カンファレンス「Microsoft Ignite」に合せて日本向けコンテンツで構成した「Spotlight on Japan」を展開。基調講演に執行役員 常務 クラウド&ソリューション事業本部長の岡嵜禎氏が登壇し、「Microsoft Cloudで実現する知的生産性の向上」と題して、顧客事例などを紹介した。

 講演の冒頭で岡嵜氏は、「Do more with less」というメッセージを発信した。これは、「より少ない時間・資源でより多くのことを実現する」との意味だとする。同社クラウドが具備する「価値実現までの時間・コストの削減」「オープンで拡張性あるクラウドによる俊敏な展開」「統一のデータプラットフォームによる運用効率の向上」を通じ、顧客の目的実現あるいは課題解決を最適なアプローチで支援しているとした。

 それを体現する顧客の1つが北海道電力になる。北海道電力では、総発電量の約7割を占める火力発電の設備巡視点検に「Microsoft HoloLens」などを活用している。設備巡視点検は、トラブルの発生を未然に防ぐために必須の業務で、高度なスキルと経験を有する担当者が毎日数回、1回当たり2~3時間をかけて、数千カ所もの設備を目視で確認しなければならなかったとのことだ。

 この作業の生産性向上と効率化を図るべく、担当者がHoloLensのヘッドマウントディスプレイを装着して作業を行えるようにした。これにより例えば、デジタル版の点検マニュアルなどをディスプレイに投影することで、担当者が紙のマニュアルを使うことなく作業に集中できるようになり、過去の点検記録データを迅速に呼び出してディスプレイ上ですぐに把握できるようになった。離れた場所にいる担当者と現場担当者がデータを共有してリアルタイムな遠隔協働作業もできるようになった。

 新入社員の指導は実地研修を中心に1年ほどかけて行っていたが、属人的でもあったという。現在はHoloLensに設備装置のホログラフィック画像を投影して、さまざまな場所で研修を行えるようになるなど、効率的で質の高い研修を実施できるようになったという。

 人工知能(AI)ロボット開発ベンチャーのTelexistenceは、「Microsoft Azure」を利用したロボット業務オペレーションの仕組みを構築している。同社はファミリーマートと協業し、首都圏の約300店舗で飲料商品の陳列や在庫補充の業務をスタッフに代わってロボットが行う「TX SCARA」システムを提供する。

 ファミリーマートでは、店舗によって1日当たり1000点以上を販売することがあるといい、スタッフが商品を繰り返し補充する作業は単純で非効率だった。そこでTX SCARAがこの作業を24時間行う。在庫状況を把握しながらリアルタイムに商品を補充したり、過去の販売実績データを使って陳列方法を自動的に変更したりできるという。ロボットにトラブルが起きた時は、遠隔のオペレーターがネットワーク経由で復旧させ、店舗スタッフが接客に集中できる業務環境が整いつつある。

 岡嵜氏は、同社自身もクラウドを活用しており、昨今企業に求められるサステナビティー(持続可能性)への取り組みに貢献していると説明。温室効果ガスの排出削減はもとより、あらゆる廃棄物の削減やクリーンな水資源の創出、事業用地の環境保護などを掲げた。

 また、10月3日にデジタル庁が「ガバメントクラウド」にAmazon Web Services(AWS)、Google Cloud、Microsoft、Oracleのクラウドサービスを採用すると発表。講演の最後には、デジタル庁 ガバメントクラウド統括の梅谷晃宏氏がゲストで登壇した。

 梅谷氏は、ガバメントクラウドについて「国民に提供するサービスとしてテクノロジーの進展に応じた変化ができるクラウドを利用し、国民の信頼と安全に資するサービスとするべくテンプレートなどを用いたガバナンスの徹底に努めている」と説明。岡嵜氏に、「これからガバメントクラウドの1つとして支援をいただきたい」「マイクロソフトの多様な製品やサービスを活用して社会のデジタル推進に貢献してほしい」などと協力を求めた。

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