安易なオフィス回帰は「生産性の低下」につながる–Slackの英国責任者
今回は「安易なオフィス回帰は「生産性の低下」につながる–Slackの英国責任者」についてご紹介します。
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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
Slackの英国責任者であるStuart Templeton氏によると、従業員を週5日のオフィス勤務へと回帰させる企業は、オフィスをハイブリッドワークに適応したかたちにしない限り、「トップクラスの人材を魅了したり、引き留めたりする能力を大きく損なう」ことになるという。
ナレッジワーカーがより多くの時間をリモートワークに費やすようになっている中、多くの企業は新たなハイブリッドワーク環境内でのオフィスの役割について、依然として答えを導き出せないでいるとTempleton氏は述べた。
同氏のこの言葉は、英国のナレッジワーカー1000人を対象としてSlackが実施した調査において、多くの回答者がオフィスに出社しても最大4時間をビデオ会議に費やしていると回答したことを受けたものだ。
Slackによると、雇用者が対面での作業をより意味あるものにする方法を見つけ出せなければ、オフィスは「生産性低下装置」になりかねないという。Templeton氏は米ZDNetに、「2時間かけて通勤し、オフィスでビデオ会議をするというのは、オフィスの使い方としてかなりひどいと言える」と述べた。
「人々を1カ所に集める目的を明確にすることが大事だ。リーダーは、深いつながりを醸成する手助けや、アイデアのブレインストーミング、問題の解決のためのオフィスの使用方法に注力するべきだ」(Templeton氏)
Slackの調査によると、英国のほとんどのワーカーは1週間に3回出勤しており、60%はつながりや社会的な交流を目的に同僚と同じ日に出勤するようにしているという。
しかしSlackは、企業が「コミュニケーションとミーティングを区別しないアプローチ」を適用している結果、オフィスと家庭の双方における生産性に影響を与えていると述べた。
同社の調査によると、従業員はオフィスにいる間、生産的な作業に従事するのではなく、長時間のビデオ会議に参加していることがしばしばであり、平均すると毎日2時間を会議に費やしているという。なお英国のワーカーの20%については、この値が3~4時間となっている。
Templeton氏はこの結果について、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック前の作業慣行を新たなワークモデルへと「リフト&シフト」するだけでは、「まったく使い物にならなくなる」と述べ、企業とその従業員は「対面で作業する時間を有効に使えるようにする方法を明確にする必要がある」と付け加えた。
そして同氏は「ハイブリッドワークは今や、ほとんどのナレッジワーカーにとって当たり前となっているが、多くの企業は特にミーティングに関して、効果的な実施方法を模索し続けていることが明らかになっている」と続けた。