アスクルとソフトバンク、中小企業のDXを支援–相談からITツール選定までトータルサポート

今回は「アスクルとソフトバンク、中小企業のDXを支援–相談からITツール選定までトータルサポート」についてご紹介します。

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 アスクルは10月31日、ソフトバンクの協力の下、中小企業が抱える課題をデジタルで解決する新たなソリューション事業「ビズらく」の開始を発表した。

 ビズらくは、中小企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に必要なSaaSや通信商品、サービスを販売するウェブサイトを展開する。ビズらくは商品を販売するだけでなく、専門スタッフによる顧客の悩みに寄り添った相談サービスと、デジタル商品の販売サービスを組み合わせた提供を行うのが特徴だ。

 同日に行われた「アスクル新事業発表会」で、アスクル 代表取締役社長 最高経営責任者(CEO)の吉岡晃氏は、「中小企業のデジタル化で大事なのは、顧客の心のハードルを下げることだ」と言及。アスクルを利用する中小企業の顧客からは、ITツールの導入に当たり、「何を選べば良いか分からない」「システム導入をしたけれど使いこなせない」などの声が寄せられているという。

 このような課題を解消するため、ビズらくのウェブサイト上には、デジタル化の相談サービス「ビズらく相談室」を設置。電話もしくはオンラインで顧客の仕事に関するデジタル化やIT活用の悩みを無料で相談できる。予約フォームから日時を指定すると、専門スタッフに相談ができ、それぞれの企業のデジタル化の課題を解説する「デジタル化診断レポート」をメールで提供。ビズらくでは、この診断を基に、企業に合ったSaaSや通信商品を提案する。

 中小企業は、人手不足への対策やインボイス制度などの法改正に対応するための業務改善などの課題に直面しており、デジタル化のニーズは高まっている。一方、アスクルが3月に行った「お勤め先の職場環境に関するアンケート」によると、従業員100人未満の企業の58%が「IT担当者不在」と回答。「社内にIT担当者がいない」という課題が浮き彫りになったという。そこで、ビズらくには情報システム部門の代行サービス「みんなのITサポート」を設置。同サービスを契約するとビデオ通話アプリや遠隔サポートツールが搭載された専用タブレットが届き、IT担当者の代わりにSBエンジニアリングのスタッフがタブレットを通してサポートする。

 タブレットにはカメラ機能が搭載され、顧客の状況をリアルタイムに把握し、きめ細かなサポートが提供できるという。サポートは、PCやモバイル端末の操作方法や「Microsoft Office」製品などのアプリケーション操作、インターネット接続設定などが対象になる。1社当たり月額2万2000~2万7500円(税込み)で提供する。

 また、ビズらくにおけるSaaSや通信商品などの紹介・販売では、オリジナル商品を含む、厳選した14カテゴリー32種類を置いている。厳選商品は、顧客の課題を解決する商品を選定しているという。その基準となる要素は、「適切な価格と購入単位であること」「ニーズに合った機能を搭載していること」「アフターサポートを含めた充実のサポートがあること」だと、アスクル 事業開発室 室長の成毛一行氏が説明した。

 商品は、ビズらくのウェブサイト上にある「お困りごとから探す」または「商品のカテゴリから探す」の2種類のメニューから選ぶことができ、商品カテゴリーから探す場合は、ウェブサイト上の掲載商品を直接購入できる。他方、「勤怠管理に苦労している」「メールが多すぎて見逃してしまう」など、困りごとからソリューションの選択も可能だ。現時点での販売商品カテゴリーは、ITサポートやグループウェア、ウェブ会議、勤怠管理、電子契約などで、今後の取扱商品については、顧客のニーズを踏まえて順次拡大する予定だという。

 吉岡氏は、今回の新事業に当たり、「アスクルが持つ顧客の基盤と顧客関係管理(CRM)のノウハウ。そして、ソフトバンクグループのデジタル通信商品の調達力と企業間取引(BtoB)のマーケティング力やシステム開発力を掛け合わせたシナジーで新事業を開始し、中小企業のデジタル化を支援したい」とコメントした。

 また、ソフトバンク 代表取締役 副社長執行役員 兼 最高執行責任者(COO)の今井康之氏は、日本企業は中小企業が大半を占めていることから、中小企業と共にデジタル化をもり立てていくことを前提とした上で、「当社は、中小企業との接点を多く持っていない。一方、アスクルは、500万の事業所との接点を持ち、中小企業に対する理解がある。今回の新事業では、ソフトバンクが持つデジタル化のノウハウとサービスをビズらくを通して中小企業に提供していく」と説明した。

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