週休3日制をテストする組織が増加–新しい働き方の可能性と課題

今回は「週休3日制をテストする組織が増加–新しい働き方の可能性と課題」についてご紹介します。

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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 周知のとおり、組織とそのスタッフは過去2年間で、ワークライフバランスのあり方と、オフィス勤務に戻る人が増えた後のワークライフバランスについて、再考しなければならなかった。

 組織がスタッフのワークライフバランス達成を支援する方法はいくつもあるが、その対話では、リモートワークやフレックスタイム制など、柔軟な勤務形態をスタッフに提示することが重要な部分になっている。新たな勤務形態として拡大しつつあるのが、週4日勤務だ。

 コンプレストワークウィーク(たとえば週5日ではなく週4日のフルタイム勤務)を実施している組織は、この4年間で29%増加した。Mercerの2021年の「Australian Benefits Review」によると、オーストラリアの組織の4分の1以上がこの働き方を従業員に認めているという。

 「人々はワークライフバランスを再調整しており、次のように言っている。『フルタイムの仕事を自宅で(パンデミック中に)こなした。従業員たちから信頼されている。週の勤務日を4日に圧縮してはどうだろうか』」。Mercerで市場のインサイトとデータを統括するChi Tran氏は、米ZDNetにこう語った。

 「週の最初の4日間はこれまでよりも長い時間働き、金曜日か、他の曜日に休むようになるかもしれない。こうした働き方が増えている。方針が定められているわけではないが、組織がこの働き方に対して『ノー』と言っていないことは確かだ。選択肢の1つになりつつある」

 パナソニックは先頃、従業員のワークライフバランス改善に向けて週休3日制の導入を発表した企業の1社だ。

 パナソニックの代表取締役社長兼グループ最高経営責任者(CEO)の楠見雄規氏は2022年に投資家に対し、週休3日制の導入によって同社は「従業員の多様な状況に柔軟に対応」できる、と述べている。

 「競争力を高めるために、パナソニックの各従業員のウェルビーイングを担保しなければならない。パナソニックには、多様な個性と能力を持つ従業員が世界中に約24万人いる。多様な人的資本の仕事と暮らしのバランスを実現することが会社としての責務だ」(楠見氏)

 この動きはMicrosoftの日本法人に続くものだ。同社日本法人は2019年、生産性と創造性の向上という目標の一環として、週4日勤務を試した。試験プログラムの最後に発表された結果は、従業員1人あたりの売上高で測定した生産性が40%近く向上し、従業員の92%という圧倒的多数が週4日勤務を支持したことを示している。

 しかし、この動きはもはや企業の中だけで起きていることではない。世界中の政府も政策レベルでこの時流に乗ろうとしている。

 ベルギーが2月に発表した改革案は、国内の労働者に週4日勤務を認めるとともに、報復を恐れることなく、退勤後に仕事用デバイスの電源を切って仕事関連のメッセージを無視する権利を与えるものだった。この発表の前に、ベルギーは勤務時間外に電話や電子メールを無視する権利を公務員に与えている。

 週4日勤務プログラムを制定済み、またはテスト中の国は、他にもアイスランド、日本、アラブ首長国連邦、スコットランド、スペインなどがある。また、ニュージーランドのJacinda Ardern首相も企業に週4日勤務への移行を支援するよう促し、そうすることで、特にオフィスに復帰する従業員がワークライフバランスの問題に対処しやすくなると述べた。

 週4日勤務の動きが世界で勢いを増したきっかけは、ニュージーランドの金融サービス企業Perpetual Guardianが2018年、恒久的な週4日勤務を導入し、週5日勤務と同じ額の給料を払い続ける世界初の大企業の1社になったことだ。同社は導入に先駆けて240人のスタッフを対象に試験プログラムを実施した。

 オークランド大学とオークランド工科大学が監督したこの試験プログラムでは、生産性が20%向上し、スタッフの幸福度と関与が全体的に高まったという。

 「正直なところ、自分たちが何をしているのか全く分かっていなかったが、蓋を開けてみると、スタッフの関与に大きな変化があった。たとえば、チームのパフォーマンスが約40%向上し、ストレスレベルが15%低下した。また、スタッフは週4日勤務の方が週5日勤務よりも仕事がはかどると話していた」。Perpetual Guardianの創設者であるAndrew Barnes氏はこのように語る。

 Barnes氏にとって、この試験プログラムは、「生産性が100%なら、勤務時間を80%にして100%の給料を払う100-80-100ルールのきっかけ」となった。

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