富士通ら、HPCとAIを活用した量子化学シミュレーション高速化技術を開発

今回は「富士通ら、HPCとAIを活用した量子化学シミュレーション高速化技術を開発」についてご紹介します。

関連ワード (ビッグデータ等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 富士通らは2月21日、高性能コンピューティング(HPC)と人工知能(AI)を活用した量子化学シミュレーション高速化技術を開発し、クリーンなアンモニア合成に向けた触媒候補探索期間の大幅な削減に成功したと発表した。

 富士通とアイスランドのベンチャー企業Atmoniaは、アンモニア合成触媒の探索を効率化する技術を2022年4月から共同研究している。アンモニアは燃焼しても二酸化炭素(CO2)を排出しない次世代クリーンエネルギーとして注目を集めており、合成の過程でCO2を排出せず、常温常圧で水と空気と電気から安定的に合成可能な触媒材料を効率的に発見する新たな合成手法の確立を目指している。

 両社は、Atmoniaのアンモニア合成シミュレーションデータを基にさまざまな量子化学シミュレーションを富士通のHPC上で行い、そこから得られた触媒材料を組成する原子配置の構造、化学元素の種類や比率などの膨大な教師データをAIに学習させ、触媒候補を短期間で絞り込むシミュレーションモデルを開発した。

 さらに、富士通の因果発見技術により、探索した1万ケース以上のアンモニアの合成触媒候補データにおける触媒原子の種類や位置関係および反応エネルギー量などの項目間の因果関係から触媒に適した材料の性質の傾向を導き出し、触媒候補データの絞り込みに活用することができた。

 これにより、従来専門家が多くの時間と労力を要していた触媒材料候補の探索範囲の絞り込みを因果発見技術で自動化し、触媒候補の探索期間を半分以下に削減することに成功した。

 今後は、今回開発した技術を用いて具体的なアンモニア合成触媒候補の選定と有効性を実験で検証し、触媒物質を早期に発見してクリーンなアンモニア合成を実現することで、カーボンニュートラルへの貢献を目指す。

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