リスキリング後の昇給に前向きな企業は約7割–パーソルイノベーション「学びのコーチ」調査
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パーソルイノベーションが展開するリスキリング支援サービス「学びのコーチ」は3月13日、全国の企業に勤める660人を対象に実施した「リスキリング」に関するアンケート調査の結果を発表した。同調査は、2月16~18日にジャストシステムが提供するインターネットリサーチ「Fastask」で実施された。
なお、同調査における「リスキリング」の定義は、新しい職業に就くため、あるいは今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させることだとしている。
調査結果によると、全体の39.1%が「直近1年間で従業員のリスキリングに関する取り組みを実施した」と回答。企業規模別で見ると、大企業では60.5%が「実施した」と回答しているのに対し、中小/スタートアップ企業では「実施した」と回答したのは28%で、企業規模別で大きな差があることが明らかになった。
また、リスキリング実施者に対して、所属企業における「リスキリングの取り組みは、トップダウン(経営主導)型で行っていますか、ボトムアップ(個人主義)型で行っていますか」と質問したところ、全体の80.2%が「トップダウン型」と回答した。
「リスキリングの取り組みで、どのスキルを取得することを重視しているか」で最も多く挙げられたのは、「ITプロジェクトマネジメント」で42.3%。以下、「データ活用」が38.7%、「クラウド活用」が35.1%と続き、DXや攻めのITスキルの習得を重視する傾向にあるとパーソルイノベーションは見ている。
企業規模別で見ると、中小/スタートアップ企業においても「ITプロジェクトマネジメント」と「データ活用」が34%と高く、次いで「業務プロセス設計」や「マーケティング」が29%という結果で、企業成長への土台づくりにつながるスキルの重視が上位となった。一方、大企業では51%が「ITプロジェクトマネジメント」と回答しており、規模が大きいゆえにプロジェクト管理スキルを重視する傾向にあるとしている。
リスキリングの対象になる部門は「情報システム、ITシステム」(43.1%)が最も多く、続いて「人事」(40.3%)、「経営企画」(38.3%)と、ITや人材育成の領域、経営の中枢部門がリスキリングの対象になる傾向があると分析した。同社は、経営企画や人事の比率が高いのは、リスキリングがトップダウンで行われており、企業の管理部門から実施されるためであると指摘。また、情報システムやITシステムの比率が高いのは、ITプロジェクトマネジメントやデータ活用などのスキル取得が重視されていることに関連があると予想した。
リスキリング後の昇給については、全体の33.1%が「実施している」と回答。「未実施だが検討中」は37.5%という結果から、70%以上の企業がリスキリングの昇給について実施または前向きである傾向が明らかになった。企業規模別では、昇給実施の傾向は大企業が先行しているものの、中小/スタートアップ企業でも「実施または前向き」と回答する企業は60%以上で、リスキリング後の昇給に対して積極的に検討していることが分かった。
同調査を踏まえ、パーソルイノベーション「学びのコーチ」事業責任者の柿内秀賢氏は、「リスキリング後の昇給を検討している企業が70%もいることは非常に驚いた。いわば従来の課題であった『リスキリング後の昇給』など待遇面に関しても、着実にその土台が整いつつあることが分かる結果といえる。今後この流れが加速することで、優秀な人材を確保するためにもますますリスキリングの重要性が高まり、リスキリングを実施することが花形の証になるかもしれない。2023年の各社の動向が、今後のリスキリングがどのように進むかの試金石となると考えている」とコメントした。