インテル創業者のゴードン・ムーア氏が死去–「ムーアの法則」提唱
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Intelの共同創業者Gordon Moore氏が米国時間3月24日、94歳で死去した。同氏が提唱した「ムーアの法則」は、コンピューターやスマートフォンをはじめとするエレクトロニクス製品を開発するメーカーの原動力となった。
Intelの最高経営責任者(CEO)であるPat Gelsinger氏は発表の中で、「Moore氏はその洞察力とビジョンによってテクノロジー業界を定義した。トランジスターの力を明らかにする上で重要な役割を果たし、何十年にもわたって技術者や起業家らを鼓舞してきた」と述べた。
AppleのCEOであるTim Cook氏も哀悼の意を表し、次のようにツイートした。「世界は、シリコンバレーを築いた父の1人であり、技術革命の道を開いた真の先駆者だったGordon Mooreという偉大な人物を失った。その背中を追った私たちすべてが彼に感謝している。ご冥福をお祈りする」
Moore氏は1965年に、コンピューターチップ製造の進歩に伴ってコンポーネントサイズは縮小し、1つのチップに含まれるトランジスターの数は毎年倍増して、性能と機能は飛躍的に向上すると予測した。同氏はその10年後に、2年ごとに倍増と、予測を修正した。
この「法則」はテクノロジー企業が目指す目標となり、進歩を維持するイノベーションのリズムを確立した。
「それはメトロノームを生み出した」と、Intelに勤める文化人類学者のGenevieve Bell氏は、ムーアの法則が50周年を迎えた2015年、米CNETに語っていた。「それは、常に変化し続ける継続的な進歩という素晴らしい概念を私たちに与えた」(同氏)
ポケットサイズのスマートフォンが、かつて部屋いっぱいに並べられていた何台ものコンピューターよりも高性能になっていることが、その象徴的な例だ。
しかし今、チップコンポーネントが原子スケールにまで縮小したことで、ムーアの法則は終焉を迎えたという意見がある。一方、1枚ではなく複数のシリコンスライスでチップを構築するなどの製造技術の進化に支えられて、ムーアの法則は今後も続くと主張する者もいる。
Moore氏は1929年にサンフランシスコで生まれ、サンノゼ州立大学、カリフォルニア大学バークレー校を経て、カリフォルニア工科大学で化学の博士号を取得した。
同氏は1957年、Fairchild Semiconductorを共同創設した。共同創設者の1人は、マイクロチップ、つまり集積回路(IC)の発明に貢献したRobert Noyce氏だ。コンピューターチップ設計の中心的要素であるICは、「iPhone」をはじめとする数えきれないほどの電子機器への道を開いた。両氏は1968年にIntelを創設し、同社は世界最大のチップメーカーへと成長したが、後にその地位を失っている。
Moore氏は晩年、慈善活動に尽力した。同氏が妻と設立したゴードン・アンド・ベティ・ムーア財団(Gordon and Betty Moore Foundation)は、環境保全、科学研究、高等教育を対象とした取り組みに助成金を交付している。
1990年にはアメリカ国家技術賞を受賞し、2002年には、文民に贈られる米国最高位の勲章である大統領自由勲章を受章した。