AWSジャパン、人への投資を加速–「デジタルスキル調査:第3弾」を発表
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アマゾン ウェブ サービス ジャパン(AWSジャパン)は4月17日、「デジタル人材が創出する経済効果とAWSの施策に関する記者説明会」を開催。同説明会に登壇した代表取締役社長の長崎忠雄氏とトレーニングサービス本部 本部長の岩田健一氏が、同社のデジタル人材育成と「APACデジタルスキル調査」の概要を説明した。
同社はこれまで、多様なAWSトレーニングパートナーと連携し、日本のデジタルスキル格差解消に向けて取り組んできた。国内においては2017年から50万人以上にクラウドスキルトレーニングを提供しているという。
長崎氏は冒頭、2022年4月に行われたAWSのデジタルスキル調査 第2弾の発表を振り返り、「私は、企業や組織のリーダーの人への投資に対するコミットメントが重要だと説いた。言葉だけではなく実行に移す、トップからの強いディレクションが必要だ。それは、日本のデジタル競争力の根幹が人にあるとわれわれは考えているからだ」と改めて強調した。
AWSが米ギャラップに委託し、作成した調査レポート「APAC デジタルスキル調査:テクノロジーがもたらす経済効果とは」では、デジタルテクノロジーに明るい労働力の育成が、個人や組織、経済全体にもたらす価値の大きさを調査した。同調査は、9カ国(オーストラリア、インド、インドネシア、日本、マレーシア、ニュージーランド、シンガポール、韓国、タイ)の雇用主・労働者を対象にオンラインで実施された。実施期間は2022年8月2~23日で、有効回答数は労働者が1万6000人(日本:2796人)、雇用主が7500人(日本:974人)だった。
岩田氏は、同調査の結果を踏まえ「デジタル人材は大きな経済効果を創出する」と説明。クラウドアーキテクチャーやソフトウェア開発などのデジタルスキルを利用する日本の労働者は、日本の年間国内総生産(GDP)に対して推定1.7兆ドル(約164兆3000億円)の貢献をしていることになるという。
日本の労働者が使用するデジタルスキルのレベルは、「未使用」が45%と大半を占め、次いで「基礎的なスキル(電子メールや文書作成、その他のオフィスソフトなどを使用できる能力)」が38%。以下、「中程度のデジタルスキル(ドラッグ&ドロップによるウェブサイトデザインやトラブル発生時の対応、データ分析などの能力)」が12%、「高度なデジタルスキル(クラウドのアーキテクチャー設計や管理、ソフトウェアやアプリケーションの開発、AI、機械学習などを使用できる能力)」が5%という結果だ。この結果から、岩田氏は「日本のデジタルスキルレベルは伸びしろが大きい」とした。
同調査によると、高度なデジタルスキルを有する人材やデジタル/クラウドテクノロジーを活用することで、売上成長やイノベーションの加速などが見込めるという。調査によると高度なデジタルスキル人材を有する日本企業の36%が、過去1年に10%以上の売り上げ成長を実現。さらに、日本企業の49%が過去2年間に革新的な新製品を市場に出している。また、ビジネスの大半にクラウドを活用している日本企業は、クラウドをビジネスの一部のみに活用している、または全く活用していない企業に比べて、イノベーションを進展させている割合が2倍近く高いという。
日本の労働者の約半数は、今後1つ以上のデジタルスキルの習得に向けたトレーニングを受講したいと意欲的な一方、94%がデジタルスキルトレーニングを受講する上で課題があると回答した。理由には、「時間不足」(49%)、「予算不足」(36%)、「キャリア向上に必要なスキルやトレーニングが分からない」(32%)が挙げられた。岩田氏はこの課題に対して「クラウドスキルトレーニングを提供するわれわれとしても、お客さまにどのようなトレーニングが必要なのかを理解してもらうためにいろいろな準備立てをしている。これからもさらに深く、細かく、お客さまに提供していきたい」と意気込みを述べた。
最近では、日本を含めたアジアにおいて、業界の資格認定やトレーニング修了を学位の代わりに認める企業や組織が増えているという。日本企業の61%が今後5年間のビジネスにおいて「デジタルスキルがとても重要/きわめて重要」と回答。他方、応募要件に見合う人材の不足により、45%が必要とするデジタルワーカーの採用が非常に困難だと感じている。同氏は、「就職において出身校などの学歴だけでなく、どのようなスキルを持っているのかも評価の対象になってきている」と、スキル習得の重要性を説いた。