ビジュアルワークスペース「Miro」、50の新機能を第1四半期に追加
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ビジュアルワークスペース「Miro」を提供するMiroの日本法人ミロ・ジャパンは6月30日、2024会計年度第1四半期(2023年2~5月)に50の新機能を追加したことを発表した。
追加された主な機能として、プライベートモード、インタラクティブなプレゼンテーションモード、「Miro Talktrack」があり、リモート環境下のチームが短時間でアイデアをまとめ、情報をコンテキスト化するための高度なコラボレーションを目的としている。
プライベートモードは、新しい付箋の内容や既存の付箋で編集した内容が全て非公開になるため、ミーティングの参加者が人の目を気にせず自分の考えを整理することなどを可能にする。
インタラクティブなプレゼンテーションモードは、Miroの内容を基にプレゼンテーションを行う際、発表者が簡単に作業を共有して聞き手の参加を促し、円滑な話し合いを進めることを可能にする。プロジェクト計画、デザインファイル、グラフ、データダッシュボードなど、どのレベルにある情報でも即座に共有することができる。
Miro Talktrackは、ユーザーが非同期の作業でも文脈や他人の意見を豊富に取り入れる方法として、動画や音声によるボードの説明を作成できる。視聴者は、その場でボードに手を加え、リアルタイムのようなコラボレーションができる。Miroは、感情、サブテキスト、ニュアンスをコラボレーションに加える機能をTalktrackに追加する予定だという。
また、Miroは、英語、フランス語、ドイツ語、日本語、スペイン語の5言語に対応した。
合理的なプロジェクト管理とワークフローを目的に、クラスター化と高度なマインドマップ作成にも対応した。
クラスター化機能は、AIと機械学習を利用しており、類似した付箋の特定、テーマの視覚化、情報の整理を簡単かつインテリジェントに実行する。色やタグによる分類に加え、感情やキーワードによる付箋のクラスター化も可能になった。
高度なマインドマップ作成では、ノード(マインドマップ状の分岐点)の追加により、ボード上で簡単にマインドマップを拡張できる。自動レイアウト機能はマインドマップを自動的に整列させ、複雑で幅広いアイデアの構造を示す。
エンタープライズ水準のデータセキュリティを提供するため、全てのカスタマーコンテンツ(処理インフラ、実運用データ、バックアップデータ)を欧州連合(EU)内のデータセンターにホストできる機能もリリースされている。これにより個人情報を厳密に管理するほか、EUの「一般データ保護規則(GDPR)」や英国のデータ保護法といった欧州のプライバシー関連法の厳しい要件を満たすことができる。また、伝送中の顧客データは全て暗号化される。
Miroは、企業向けのアドオンオプションとして、データを保護する暗号鍵を一括管理する「エンタープライズ・キー・マネジメント」機能も提供している。
また、公式コミュニティー「Miroverse」に350の新規テンプレートが追加されたことも同社は明らかにした。テンプレートを公開する手順も合理化され、ユーザーはMiroverseプロフィールを使用することで、検討してほしいテンプレートを簡単に提出できる。テンプレートは、Miroverseの担当チームによる審査とフィードバックを受けた後、コミュニティー全体に公開される。
今後の展望として、Miroは、生産性向上、コラボレーションの強化、新しいアイデア作りを目的とした100以上の新機能を次四半期もリリースする予定だという。これには、AIを利用してMiroの一般的なワークフローや複雑なワークフローを最適化する「Miro AI」機能群のアップグレードも含まれていると同社は説明する。
Miroは、2011年に創業され、現在は世界の12カ所に拠点があり、従業員数は1700人。「チームが次の大きな成果を生み出す力を与える」をミッションに、現場で働く人たちがイノベーションを生み出すのに必要なプラットフォームを提供しているとミロ・ジャパンで代表執行役社長を務める五十嵐光喜氏は語る。
現在、経営者は企業が生き残るためにはイノベーションが必須と考えていると同氏は述べ、イノベーションを起こす企業が勝利しており、最も革新的な企業の10社中7社が「Miro Enterprise」プランの顧客であると続ける。「Miroがイノベーションに最適なプラットフォームだと認識されている一つの証」(同氏)
Miroは、オンラインホワイトボードからビジュアルコラボレーション、イノベーションワークスペース、さらにAI機能を加えたイノベーションワークスペース+AIとして進化している。
サードパーティー製ツールとのインテグレーションなどを可能にするプラットフォームとセキュリティやデータガバナンスなどを受け持つエンタープライズ基盤を土台として、「ビジュアルプロジェクトマネジメント」「ダイアグラムとプロセスマッピング」「コンテンツとデータの可視化」「ワークショップと非同期コラボレーション」「プロダクト開発のワークフロー」、そして、Miro AIといった6つの機能を提供する。
イノベーションに関するライフサイクルにおいて「アイデア創出/振り返り」では、ワークショップと非同期コラボレーションやMiro AIが、「実現化プロジェクト/業務プロセス改善」では、ビジュアルプロジェクトマネジメント、ダイアグラムとプロセスマッピング、プロダクト開発のワークフロー、コンテンツとデータの可視化」が、「実績管理/顧客フィードバック」では、コンテンツとデータの可視化がそれぞれ利用される。
五十嵐氏は、「日本人は、いろいろな人が集まってディスカッションをすることで新たなものを生み出していくというDNAが備わっている。Miroは、そのようなDNAを生かせるワークスペースに生まれ変わっている。その価値を皆さんに届けたい」との考えを示した。