テラスカイとテクノスジャパンが資本業務提携、クラウドやERPでタッグ
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テラスカイとテクノスジャパンは7月26日、資本業務提携を発表した。クラウドやERPの領域で製品連携と販売強化、SAP関連ビジネスについて両社グループのリソースを生かした協業を展開する。今後は市場で相互の株式1億円をめどに買い付けるほか、5年後に10億円規模の新規案件の創出を目指すという。
テラスカイは、Salesforceを中心としたクラウドサービスのインテグレーションを主力事業とする。テクノスジャパンは、製造や情報通信を主要な顧客としてSAPなどのERP製品群やセールスフォースのCRMと、受発注などのアプリケーション機能を持つ企業間協調の「コネクテッド・ビジネス・プラットフォーム」(CBP)を手がける。
協業範囲は、(1)製品ビジネス、(2)Salesforce関連ビジネス、(3)SAP関連ビジネスの3つになる。
(1)では、Salesforce上で稼働するテラスカイのグループウェア・ワークフロー製品「mitoco」とテクノスジャパンのCBPを機能連携させ、例えば、ERPなどからの発注や受注などの申請・承認のフローをmitocoで実行できるようにする。また、テラスカイが国内で独占販売する富士通の「Fujitsu GLOVIA OM」とCBPも連携を図り、SalesforceをプラットフォームとしてERPやCRM、グループウェアやワークフローなどの業務アプリケーションが円滑に連携するソリューションを顧客に提供していくとした。
(2)では、(1)におけるmitocoやCBP、GLOVIA OMのソリューションの顧客への提案、導入を両社で実施していく。また、テクノスジャパン傘下でSalesforceのサービスインテグレーション事業を展開する米Lirikのチャネルを生かし、テラスカイ製品などの海外展開を両社で推進する。
(3)では、SAPのサポート期限が迫りユーザーでの対応が急務となっている「SAP ERP 6.0」や「SAP Business Suite」から「SAP S/4 HANA」への移行をテラスカイ傘下のBeeXと共同で支援していく。
記者会見したテクノスジャパン 代表取締役 社長執行役員の吉岡隆氏と、テラスカイ 代表取締役CEO(最高経営責任者) 社長執行役員の佐藤秀哉氏によれば、2022年に開催されたSalesforceのグローバルカンファレンス「Dreamforce」をきっかけとして、2023年2月から協業スキームの検討を開始し、資本にも踏み込んだ提携を結ぶに至ったという。
吉岡氏は、「事業領域だけでなく、例えば、当社のイノベーション施設がテラスカイさんの本社と同じビル内(東京・日本橋)にあるなど、さまざまなご縁があると分かり、協議を進める中で、売上拡大やサービスレベル向上といった効果を期待できることから合意した」と述べた。資本を含む提携について佐藤氏は、「お互いの本気度を社員にもきちんと示すため」などと説明した。
SAP関連では、SAP ERP 6.0などのSAPによるサポートが2027年に終了し、有償による延長サポートも2030年で終了することから、国内では多くのユーザー企業がSAP S/4 HANAなどへの移行対応を進める。しかし、プロジェクト件数が多いためにエンジニア人材が不足して対応の遅れなどが懸念されている。
BeeXは、SAP関連ビジネスの中でも特にインフラ(IaaS)やミドルウェア(PaaS)領域のサービスを強みとする。テクノスジャパンの吉岡氏は、「当社でもある程度インフラ領域のリソースを確保しているが、IaaSやPaaSに強いBeeXと一緒にしっかりとお客さまをご支援したい」と、BeeXとの連携に期待感を示した。
BeeX 代表取締役社長の広木太氏は、「2027年や2030年といったタイミング以外にも製品のバージョンによってサポート期間が異なり、S/4 HANAにおいても従来とは異なる頻度のバージョンアップなどが発生するなど、きめ細かく対応していく必要がある。テクノスジャパンさんが強みとするSAPのアプリケーション領域と当社の強みを補完し合いながら、お客さまへのサポートに注力してきたい」と語った。