AI inside、生成AIサービス「Heylix」を提供–多様な業務の自律化を支援

今回は「AI inside、生成AIサービス「Heylix」を提供–多様な業務の自律化を支援」についてご紹介します。

関連ワード (ソフトウェア等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 AI insideは8月2日、新たな生成AIサービス「Heylix(ヘイリックス)」を発表した。同社のAIソリューションを活用し、業務の自律化を目指すSaaSをクローズドベータ版として8月3日から提供する。使用料は1000トークンあたり10円の従量課金制だという。

 8月2日に実施した説明会では、AI inside 代表取締役社長CEO(最高経営責任者)の渡久地択氏が、「タスクを実行するBuddyが生成した結果から、別のBuddyを追加することも可能。マルチモーダルで動作し、『AnyData』のフォーキャストモデルを自然言語で取り出せる」とHeylixの概要を説明した。
AI inside 代表取締役社長CEO 渡久地択氏

 同社は6月に、日本語大規模言語モデル(LLM)サービスの「PolySphere-1」が、AnyDataで運用になった旨を発表している。今回提供するHeylixは、プロンプトに自然言語を用いて財務諸表のデータ抽出やJSON化、アンケート結果から回答者の本音を推測し、図面更新時の差分確認など多様な業種に利用できるという。同社が提示したデータによれば、3月末時点の生成AI・LLMの関心度・認識率は約56%を示すものの、継続利用となると約8%まで低下。渡久地氏は「ビジネスパーソンが利用しやすい形を考えることが大事」だとHeylixリリースに至った理由を説明した。

 前述の通りHeylixはプロンプトとなる“タスク”に自然言語で作業内容を指定し、従業員がタスク設定済みのBuddyにテキストファイルや画像ファイル、値など任意のデータを与えることで、自律的にデータ出力を行う。例えばJSON形式であれば、別のアプリケーションへのデータの自動入力や、続く業務フローへの知見を得られる。ただし、RPA(ロボティックプロセスオートメーション)など過去の業務自動化でも、実際のコードを書く従業員は少なかった。

 HeylixではBuddyを作成する従業員を“Buddyアーキテクト”と呼び、近日中に用意されるマーケットプレースや社内共有でBuddy利用者の利便性を高める予定である。同氏は「(AI・LLMを活用しない)92%の方にAIエージェントを届けたい」と強調した。

 Heylixのデモンストレーションでは、「財務諸表は業務・業態によって異なるが、事前設定を行わずに読み込める」(渡久地氏)とアピールするように、光学文字認識(OCR)機能を備える「DX Suite」の非定型データ対応機能により、プラグイン設定などは行わず、企業によって異なる財務諸表をデータ化した。

 アルファ版Heylixを利用した某銀行では、数十人のHeylixアーキテクトを集めて数百のBuddyを作成。ベータ版リリース後は約300のBuddy稼働を目指しているという。さらに2022年6月から提供する「AI Growth Program」を通じて、Buddyアーキテクトの増加も目指す。

 ベータ版リリース時はほかのサービスを制御するAPI機能を備える予定だとしている。同氏は「例えばデータソースの取得やBuddyの出力結果をインポートさせる」と説明し、汎用(はんよう)的な操作に使用できるという。社内の知見を集めたナレッジベースから議事録を学習したチャットボット、社外向けFAQ(よくある質問)を学習ソースとしたチャットボットも開発可能。また、今後も企業の課題に焦点を当てたAPI機能へも早期に取り組むとしている。

 AnyDataやHeylixが利用するLLMのPolySphere-1は140億パラメーターだが、「GPT-2の約10倍、GPT-3の10分の1だが、Microsoftのphi-1も約13億。パラメーター数で(LLMの性能を)定量化するものではない。数で競う時代は終わった。国内では話題になりにくいが(LLMは汎用性よりも)コーディングなど用途に合わせる時代。われわれも当然向かっている」と渡久地氏は述べ、Heylixが国内業務で有用だと強調した。

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