ブロックチェーン開発基盤のSettleMint、日本事業を本格展開–企業向けに高速開発ツールなど提供
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ブロックチェーン開発プラットフォームを提供するSettleMintは8月3日、日本向けに事業を本格展開すると発表した。それに併せて、SettleMint Japanを設立し、高速開発ツール「SettleMint Blockchain Transformation Platform」の提供とブロックチェーンアプリの受託開発を開始する。
SettleMintはベルギーに本社を置く2016年創業の企業で、ブロックチェーンアプリケーションを開発する際の複雑さを解消するためのソリューションを提供する。現在、世界で80以上の顧客を持ち、Coca-ColaやAb InBev、OCBC Bank、Standard Chartered Bank、富士通などの大企業のブロックチェーンプロジェクトで活用されているという。
創業者で最高経営責任者(CEO)のMatthew van Niekerk氏は会見で、同社は前年比500%という大幅な成長を続けており、これまでに2400万ユーロの資金調達を実施していたと説明。ベルギーのほか、アラブ首長国連邦(UAE)、シンガポール、インドでも事業を展開しており、世界で100を超えるユースケース(事例)があるという。
同社のプラットフォームは、ブロックチェーンを活用したシステム開発に必要なネットワークやノードの構築、スマートコントラクトの設計、インテグレーション、運用管理の機能群をワンストップで提供する。ブロックチェンのプロトコル選択やデプロイするパブリッククラウドやロケーション、ノードの立ち上げなどをローコードで実現できる。
また、スマートコントラクトの設計やInterplanetary Filing System(IPFS)といったブロックチェーン特有の開発レイヤーも全てプラットフォーム上から設計・構築できる。プライベート(許可制)/パブリック(非許可制)の多種多様なプロトコルのチェーンをマルチクラウド/マルチリージョンで展開でき、柔軟性のあるブロックチェーンインフラを構築できるとしている。
日本事業を主導する森田大樹氏は、「ブロックチェーンのアプリケーションとインフラをローコードで展開・開発するために必要な全てのものをワンストップで提供する。これにより、ブロックチェーン開発を取り巻く煩雑性や高コスト、人材不足などを解決」するとアピールした。
加えて、SettleMintのプラットフォームはエンタープライズにフォーカスしている点が特徴であるとし、「Amazon Web Services」(AWS)や「Microsoft Azure」「Goole Cloud Platform」などの主要なパブリッククラウドのほか、オンプレミスでの展開も可能だとしている。統合基幹業務システム(ERP)をはじめとする既存システムとのインテグレーションにも対応する。
森田氏は、日本市場の重点施策として(1)業界ごとのユースケースの開発、(2)ブロックチェーントレーニングの提供、(3)パートナーシップの強化、(4)Web3コミュニティーへの貢献、(5)国内ローカライゼーション――を挙げた。
具体的には、製品活用資料の整備や提案体制を強化し、年内に国内10〜20社での採用を目指して活動していく方針であるとした。
富士通とSettleMintは2022年11月、ブロックチェーンを活用したデジタル変革(DX)と社会課題解決を促進するため、グローバルな戦略的提携を締結している。また、子会社の富士通ベンチャーズが運用するファンドを通じて出資もしている。
富士通でグローバルビジネスソリューションビジネスグループ クロスインダストリーソリューション事業本部長を務める神俊一氏は、「当社は国や企業間にまたがるサプライチェーンのデータをトラストにつなぎ、GHG(温室効果ガス)排出削減の推進など社会課題の解決に取り組んでおり、SettleMintをSDK(ソフトウェア開発キット)として活用することによって、よりスムーズにサステナブルな取り組みを加速していく」とし、同社との協業に期待を寄せた。