パーソナライゼーションで障壁となる「コンテンツの不足」–アドビ調査
今回は「パーソナライゼーションで障壁となる「コンテンツの不足」–アドビ調査」についてご紹介します。
関連ワード (マーケティング等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
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アドビは8月9日に説明会を開催し、同社が実施した「マーケティング実態調査」の結果を発表した。同調査は6月14~30日、顧客体験(CX)の向上を支援するプラットフォーム「Adobe Experience Cloud」を導入している国内企業のユーザー(アドビユーザー)を含む経営層やマーケター2328人を対象にインターネットで実施した。
同調査においてアドビは、回答者全体と526人のアドビユーザーの回答状況を比較して洞察を得ている。調査結果によると、顧客一人一人に対するパーソナライゼーションの重要性が高まる一方、多くの回答者がパーソナライゼーションに必要なコンテンツの不足を実感していることが分かったという。
同調査では、「2023年のデジタル/リアルのマーケティング施策は、2022年と比べてどう変化したか」と聞いたところ、全体の40.6%、アドビユーザーの47.3%が「デジタル/リアル共に増加した」と回答。「今後重きを置きたいのは、デジタル/リアルどちらか」という質問には、全体の66.9%、アドビユーザーの66.5%が「両方同程度」と答えた。次いで全体の21.5%、アドビユーザーの23.8%が「デジタル」と回答し、リアルを上回った。
「デジタル/リアル施策におけるデータなどの連携状況」については、全体では「部分的に連携できている」が47.8%、「一部を除き、おおむね連携できている」が16.1%、「シームレスな連携を実現している」が10%で、部分的な対応を含めると73.9%が連携できているとした。
「マーケティング施策では、パーソナライゼーションを実現できているか」と聞いたところ、全体の49.7%、アドビユーザーの48.9%が「コンテンツが不足している」と回答(図1)。この結果について、説明会に登壇したデジタルエクスペリエンス事業本部 ソリューションコンサルティング本部 マネージャー 兼 プロダクトエバンジェリストの安西敬介氏は「パーソナライゼーションを実現するには、複数のコンテンツを用意しなければいけない」と指摘した。
コンテンツ不足の理由について、全体の78%、アドビユーザーの78.4%が「コンテンツを作成する人手が足りない」と回答(図2)。コンテンツ制作の現状に関しては、全体の35.5%、アドビユーザーの31.9%が「多くが内製、一部外注」とした。「以前は外注中心のケースが多かったが、内製もできるようにする動きが見られる」と説明。この背景には、コンテンツ修正の高速化やコストの削減などのニーズが考えられるという。
「マーケティング関連業務において、想定される生成AIの活用シーン」について聞くと、全体の75.2%、アドビユーザーの72.5%が「情報収集」と回答。その次は両者共に「質の高いコンテンツ生成」(全体:53.6%、アドビユーザー:53.7%)、「大量のコンテンツ生成」(同32.4%、同38.2%)と答え、安西氏は「コンテンツの不足を補おうとしているケースもあるのではないか」と推察する。
「マーケティング施策に生成AIを活用する意向はあるか」という質問には、全体の17.4%、アドビユーザーの22.5%が「既に活用している/試験的に一部で活用している」と回答し、アドビユーザーは非ユーザーと比べると積極的に生成AIを活用しているといえる。
「生成AIを社内業務で活用する上での懸念事項(複数回答可)」に関しては、両者共に「生成された情報の信ぴょう性」(全体:66.5%、アドビユーザー:71.5%)、「著作権侵害の可能性」(同57.3%、同62.4%)、「個人/機密情報の漏えい」(同54%、同56.3%)の順に多かった。