PKSHAと三井住友トラストHD、LLMを活用したコンタクトセンターDXに着手
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PKSHA Technology(PKSHA)とPKSHA Communicationは9月6日、三井住友トラスト・ホールディングス(三井住友トラストHD)と共に大規模言語モデル(LLM)や機械学習(ML)技術を活用し、次世代コンタクトセンター構築プロジェクトに着手したと発表した。8月に全5領域への開発着手が完了し、複数拠点での実装に向けた取り組みを本格始動するという。
5領域とは、(1)「ChatGPT」を活用した滑らかな対話体験、(2)ChatGPTを活用しFAQやオペレーターの回答をサポートするナレッジの自動生成、(3)生成型音声要約を通じた受電後の事務作業の効率化、(4)コール量の予測、(5)オペレーターシフトの自動作成のこと。
(1)では、ChatGPTを活用することで、複数のナレッジを横断して検索を行いながら、文脈を考慮した自然な回答文を生成、表示でき、オペレーターの顧客応答をサポートする。検索対象とするナレッジはまず公開FAQ(よくある質問)から着手し、よりリアルタイム性の高いウェブサイト情報や、社内文書など、段階的に拡充を予定している。対話型AIの実装には、大規模言語モデルを効果的に実装するためのPKSHA独自のソリューション「PKSHA LLMS」を活用している。
(2)については、ChatGPTにより規約などのドキュメントや通話テキストといった、独自のデータからナレッジを自動生成する。これによりFAQなどの作成・メンテナンスにかかるオペレーターの業務負荷を軽減できるとしている。新規に追加されたFAQや優秀なオペレーターの対応ログは、(1)の回答文生成における検索対象として追加され、対応実績が増えるにつれコンタクトセンター全体の対応品質の向上が見込めるという。
(3)では、対話内容を自動で書き起こし、要約を行うことによって、受電後のオペレーターの情報記録等にかかる業務(アフターコールワーク)を削減する。また、要約する段階で、コンプライアンス観点での確認や情報の整理を行い、会話ログをナレッジ化することで、顧客の声(VoC)をサービス改善につなげる。
(4)では、法律・条令の変更、為替・株価・金利等の外部要因などによる3〜6カ月先までの入電数をAIで予測する。これにより応答率の向上や適正配置によるコスト低減、顧客の待ち時間最小化を実現するとしている。
そして(5)を進めることで、オペレーター希望などを考慮するほか、過剰出勤や特定のオペレーターにおけるシフトの偏りをなくし、従業員満足度の向上やコストの低減に寄与するという。これにより各拠点での管理方法を均一化させグループ全体での運営の最適化を目指す。
三井住友トラストHDでは、グループ全体におけるコンタクトセンター全拠点のうち、まず5拠点を対象に検証を進めた上で横展開を図り、2025年までに全拠点へのAI実装および同年からの営業店での活用開始を目指すという。
さらにPKSHAと協力し、AIが得意な部分、人にしかできない部分を的確に住み分けた上で、人とAIがベストバランスで協働する次世代コンタクトセンターを実現していく。またPKSHA Technologyは、このプロジェクトを通じ、「人とソフトウエアが共進化」するコンタクトセンターの実現を支援していくとした。