オラクル、同僚同士でたたえ合う新機能–「分かってもらえる安心感」を醸成
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米Oracleは年次カンファレンス「Oracle CloudWorld 2023」の会期中、「Oracle Fusion Cloud Human Capital Management(HCM)」内の従業員体験(EX)基盤「Oracle ME」に、従業員同士の称賛を促進する機能「Oracle Celebrate」を追加したと発表した。
Oracle Celebrateは、従業員に関するインサイト(洞察)を提供し、彼らのパフォーマンス、エンゲージメント、定着率の向上を支援する。同機能はFusion Cloud HCM内のOracle MEに搭載されているため、人事担当者やビジネスリーダーは自社の企業理念を基に表彰プログラムを作成したり、日常のワーフローに同僚同士の称賛活動を取り入れたり、EX基盤全体のデータを連携させたりできる。
CloudWorldのさなか、OracleでVice President of HCM Product Strategyを務めるChris Havrilla氏に、Oracle Celebrateで実現することや生成AIの活用ポイントを聞いた。
Oracle Celebrate提供の背景について、Havrilla氏は「当社が実施した調査によると、従業員が現在の企業で働き続けるモチベーションは、報酬や柔軟な働き方に強くひも付いていると分かった。彼らは上司や組織に評価され、帰属意識や成長している実感を持ちたいと思っている。これを受けてわれわれは、Oracle CelebrateをOracle MEに追加した。顧客企業は収集されたデータから洞察を獲得し、従業員の生産性向上に生かすことができる」と説明した。
Oracle Celebrateにおける同僚同士の称賛機能では、従業員が適切なタイミングで同僚に感謝の気持ちを伝えることができる。同機能は、社内メールやチャット、パルスサーベイなど日常的に利用するツールと接続することで、従業員の称賛プログラムへの参加を促進する。
Oracle Celebrateの特徴として「生成AIによるアシスタント機能」がある。同機能では、従業員が作成した同僚への称賛コメントに対して生成AIが改善案を生成する。これにより従業員は、より影響力のある称賛コメントを素早く作ることができる。
推薦とイベントに基づくアワード機能では、月間MVPをはじめとした同僚やマネージャーによる推薦の場、昇進や勤続記念日などの節目のイベントにおいて、従業員が同僚の功績や大切な瞬間を祝福することを支援する。同機能は、Fusion Cloud HCMにおける従業員プロファイルの更新と連動することで実現する。ポイント機能では、従業員はチームメンバーから努力が認められるとポイントを獲得し、企業が設定した報酬と交換できる。
Oracle Celebrateでは、一般の従業員だけでなくマネージャーや管理者向けの機能も用意している。例えば、ダッシュボード機能においてマネージャーは、自分のチームが特に評価されている点を把握し、それを基に行動することができる。加えて同機能は、トップクラスの貢献者を特定するとともに、配慮やサポートが必要と思われる個人を割り出す。これにより企業は「自身の貢献が認識されている」と従業員に思ってもらえる体制を構築できるという。
称賛とエンゲージメントに関するデータ機能では、企業がデータを基に自社の称賛プログラムを継続的に監視・更新することを可能にする。同機能により管理者は、企業/部門/チーム全体のエンゲージメントを追跡し、称賛プログラムの効果を測定することが期待される。
称賛を与え合うシステムはモチベーションの向上につながる一方、長い目で見ると「同僚と比べて称賛の数が少ない」などと疲弊してしまうリスクが懸念される。この疑問に対し、Havrilla氏は「称賛の通知は、サジェスチョンとして個人的に送られる。なお、われわれは同様のテクノロジーを導入している企業を研究したが、ネガティブな影響は観測されていない。マネージャーが評価した場合、その懸念は現実になり得るが、Oracle Celebrateは同僚同士での評価のためプレッシャーは強くない」と述べた。
(取材協力:日本オラクル)