目指すは現場で役立つ生成AI–NTT Com、パートナー企業募集で「tsuzumi」強化へ
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NTTコミュニケーションズ (NTT Com)は5月29日、NTTの大規模言語モデル(LLM)「tsuzumi」の外部サービスへの組み込みや、業界・業務に特化したAIモデルの開発に向けて、パートナー企業を募集する「tsuzumiパートナープログラム」の開始を発表した。
tsuzumiは、パラメーターサイズが6~70億と軽量で、学習やチューニングにかかるコストを抑えられるのが特徴。高い日本語性能に加え、柔軟なチューニングにより特定の業界や業務に特化したタスクに応答できるとしている。
NTTは、2023年11月にtsuzumiを発表し、2024年3月に同LLMを用いた商用サービスを開始した。NTT Comは5月末時点で、370件以上の問い合わせを受けているという。
NTT Comは社会課題の解決に向けて、生成AI事業に取り組む。同事業では、基盤技術としてNTTの次世代通信基盤「IOWN」などを活用し、tsuzumiだけでなく他社のLLMと組み合わせることも想定している。その上で、顧客体験(CX)や従業員体験(EX)の向上につながるサービスを提供し、各分野の専門家であるカタリストが導入を支援する(図1)。 図1:NTT Comの生成AI事業
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CXの領域では、バーチャルコンシェルジュが顧客対応を行うサービスを提供する。富士薬品との取り組みでは、コンシェルジュが店舗での売場案内や商品提案を行う。太陽生命とは、オンラインでの保険相談を行う。同社は夜間や休日など顧客接点の多様化ニーズや営業職員の不足などの課題を抱えており、将来的には保険契約のヒアリングだけでなく契約手続きまで支援することを図る。
NTT Comは、コンタクトセンターのオペレーター業務支援も行い、東京海上日動と要約作成時間の削減や通話ログの分析精度向上に取り組む。NTT Comは社内のコンタクトセンターでも実証実験を予定しており、将来的には収集された情報を抽出して社内研修やよくある質問(FAQ)の高度化に活用することも見込んでいる。
同日のメディア向けイベントに登壇したNTT Com 執行役員 ビジネスソリューション本部 スマートワールドビジネス部長の福田亜希子氏は「ここの分野ではナンバーワンになりたいという気持ちがあり、なれる可能性も大いにあると考えている。シェアで言うと最低でも3割は取りたい」とCX領域におけるtsuzumi活用の意気込みを語った。
その上で「tsuzumiは、国産であることと学習データが手元にあることが大きな強み。日本企業と話すと、ハルシネーションやトラブル時の対応などを不安に感じている傾向があるが、データが手元にあることでそうしたニーズに応えやすく、勝負の肝になると考えている」と自信を見せた。