インテルの次世代プロセッサーはアップルのチップを凌駕する–CEOが見せた自信
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Intelの最高経営責任者(CEO)であるPat Gelsinger氏は、年次イベント「Intel Innovation 2023」の基調講演で、2024年と2025年に発売される予定の新型プロセッサーの性能をアピールした。同社は、2024年に「Arrow Lake」と「Lunar Lake」を発売する。また、2025年には「Panther Lake」が登場する予定で、Gelsinger氏は、うわさされていたこのコードネームを正式に認めた上で、この製品の設計は「かなり進んでいる」と語った。
同氏は、Luner Lakeを使用したコンピューターのプロトタイプでデモンストレーションを行い、これらの製品の準備が着実に進んでいることをアピールした。このプロトタイプは、「LabCSF」というラベルが張られた青い箱に入っており、「キャッシュのクリア」や「仮想バッテリー」などの技術的な操作が行えるものになっていた。また同氏は、Intelが台湾積体電路製造(TSMC)とサムスンに奪われたチップ製造市場の主導権を取り戻すために開発した製造プロセスである、「Intel 18A」で製造されたウエハの実物を紹介した。
CCS InsightのアナリストであるJames Sanders氏は、これらの技術デモンストレーションは、長年苦戦を続けていた同社にとってよい前兆だったと述べている。「Intelはエンジニアリング主導の企業だという雰囲気が戻ってきたことは間違いない」とSanders氏は言う。「これは、長い間財務主導で経営されてきた同社が世に示すべきイメージだった」
Intelは、AppleにMac用のプロセッサーを長期にわたって供給してきたが、AppleはIntelを排除して、自社製のプロセッサーであるMシリーズへの移行に踏み切った。Mシリーズは、「iPhone」や「iPad」で使用されているチップの高性能版だ。M1とM2の「MacBook」は、処理速度とバッテリー駆動時間の長さで高い評価を得ており、Intelの幹部もかねてこの2つの特性を向上させることが最優先課題であることを認めていた。IntelはMeteor Lakeの性能の詳細を明らかにしていないが、処理速度、グラフィックス性能、AI性能が向上すると述べている。
同社は、Meteor LakeからPanther Lakeへの進歩に関して、CPU、GPU、NPU(AI処理を行うニューラルネットワーク処理装置)の3つの観点から、そのパフォーマンスをAppleのMシリーズを含む競合製品と電力消費量を同じにしたテストで比較しているという。
Gelsinger氏は、同イベントの記者発表で、「私たちは、これら3つによって提供される総合的な能力を重視しているが、これらのプラットフォームは非常に競争力の高いものになると考えており、Macをはじめとしてほかのどんなものよりも優れたものになるはずだ」と述べた。「私たちは、このロードマップに非常によい感触を持っている」
Appleは今のところコメント要請に応じていない。
Gelsinger氏は、2024年第1四半期に、Intelの製造施設(ファブ)でPanther Lakeの製造を始める予定だと明らかにした。
同氏は、製造プロセスを矢継ぎ早に改善することで、再び競争力を通り戻そうとしている同社の取り組みについて触れた上で、「これはIntelが4年間で導入する5つのプロセスノードの最後の1つである『Intel 18A』で製造される」と述べた。