NEC、ネットワークの自動設計・自律制御技術を開発
今回は「NEC、ネットワークの自動設計・自律制御技術を開発」についてご紹介します。
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NECは2月2日、ネットワークのインテント(ネットワークに対する事業者やユーザーの要件)からネットワークを自動設計し、構成を自律制御する技術を開発したと発表した。NTTおよびNTTドコモと実証に成功しており、完全自律化ネットワークの実現に資する技術だとしている。
同社は、5Gなどの通信サービスで多様な用途の需要が高まり、仮想化などの技術の導入も進んでいることで、複雑な構成のネットワークを迅速に構築し、効率的に運用できることが求められていると説明する。
今回開発した技術は、インテントに基づくネットワーク構成の自動設計、環境変化に応じてインテントを維持する自律制御を行うもので、運用者の負担およびシステム運用コストを低減するという。また、運用計画を事前に生成して、運用者がネットワークの変化を確認した上で運用を始められる機能も搭載し、NECは「運用計画のブラックボックス化を避け、信頼性を担保した高い実用性を有する」と述べる。
実証では、Amazon Web Services(AWS)上に5Gモバイルネットワークの実環境を構築し、NTTのインテントからネットワークサービス要件を抽出する技術、ドメイン横断でリソース割当を最適化する技術、体感品質(QoE)の劣化を事前に予測する技術、自律運用技術、ネットワークスライシング機能、エンドツーエンドオーケストレーション機能を組み合わせて検証したとのこと。
NTTのシステムとNECのシステム間でインテントをやりとりし、NECのシステムはNTTから受け取ったインテントを基にモバイルネットワークのリソースレベルまで詳細化を行って、運用計画を自動生成し、インテントに応じたネットワーク構成の自律変化を行う今回開発した技術での機能が動作するインテントベース運用システムを構築した。NTTドコモは、実証の進捗(ちょく)管理や試験項目作成などの全体統括およびモバイルネットワークへ自律運用ネットワークの適用を鑑みたシナリオの詳細検討を担当した。
実証からは、このシステムで運用者がチャットボットに入力したインテントからネットワークスライスごとのアプリケーション、5Gコアネットワーク機能、それらを配置するデータセンターおよびネットワーク経路が自動で設計・構築され、要件を満たすネットワークが実現した。トラフィック量の増加などQoE低下の原因となる変化もこのシステムで事前に検知し、自動でネットワークスライスを増設/再配置し、QoEを維持できることを確認したとしている。
NECは、引き続き運用計画の生成に要する時間短縮や操作性の改善、エンドツーエンドでのネットワーク全体の運用自律化への対応などを推進すると説明。インテントベースのオーケストレーターを2025年度に製品化する目標を掲げる。今回の技術は、通信の標準化団体TM Forumが定義しているネットワーク自律化のレベル5(完全自律化)の実現に資するものだという。