「Windows 12」まで様子見?–次のWindowsのリリースまでにどう対応すべきか

今回は「「Windows 12」まで様子見?–次のWindowsのリリースまでにどう対応すべきか」についてご紹介します。

関連ワード (モバイル、新潮流Device as a Serviceの世界等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 「Windows 11」の導入時期をお客さまに尋ねたところ、「“Windows 12”が出るそうなので、その様子見ですかね」という声が、多くはないもののあります。少し、びっくりしました。Windows 12は、確かに2024年に出るとうわさがありますが、そんな出るか出ないか分らないものを様子見するなんて……。

 そもそもWindows 11は、「Windows 10」に対してメジャーアップデートとは言い難い存在です。大きくユーザーインターフェース(UI)は変わっていますが、OSのコアは変わっていません。Windows 10とWindows 11は、今のところ23H2までのOSコアは、「Nickel(ニッケル)」と呼ばれています。

 しかしながら、お客さまのその気持ちも分からなくはないのです。なぜならば、“Windowsの法則”で言えば、Windows 11は企業としてスキップするべき順番と思われても仕方ありません。今さらそんなこと思う人がいるのかと疑問に思う方もいると思いますが、当社のマネージャーの1人は、「以前に買った『Windows 8』のタブレットをなぜこのタイミングで買ってしまったのだろうと何度後悔したことか」と言っていました。その苦い経験は、忘れられるものではないのでしょう。

 “Windowsの法則”とは、「普及したバージョンの次のバージョンはダメダメだ」という法則です。企業にWindowsが普及したバージョンといえば、「Windows XP」です。その後の「Windows Vista」の評判は散々でした。その後、企業に普及したのは「Windows 7」です。そして、先述のWindows 8が登場しました。Windows 7の次に企業が移行したOSは、Windows 10でした。特にUIの刷新に果敢に挑戦したMicrosoftの結果によい記憶はありません。そういえば、「Surface Neo」ってどうなったのでしたっけ……。

 以前の連載でも述べた通りWindows 11のアップデートは、継続的イノベーションを目的とした「Moment」というアップデート形式で提供されています。Momentは、月次の「Quality Update(OU)」に3カ月単位で新機能を搭載していく方式です。もちろん、その周期で新機能を提供する、要するにOSの仕様を変えるようなことをしていけば、コンシューマーユーザーはともかく、複雑なアプリケーション環境を多くの人に提供している企業の情報システム部門はたまりません。Microsoftは、それをきちんと理解していますので、組織の管理下に置かれたPCにおいては、年次の「Feature Update(FU)」を「Enablement Package」という形式でMomentを有効化するという方式を取っています。そのため、Windows 11の23H2のアップデートは、結果として軽量なものになっています。

 Moment方式は、まとめて年1回大きな変更を加えるよりもWindowsの進化を実感できるようにという試みだったそうですが、実際には、逆に変化を実感しにくくしているような気がしてなりません。特に企業においては、管理し損ねると想定していない仕様変更が適用されてしまう、危なっかしい印象を与えてしまいます。何より、せっかく「Windows as a Service」により、アップデートし続けることに適応しつつあった企業(特に日本企業)にとって、2022年にリリースされたWindows 10 22H2をサポートが終了する2025年10月14日まで実に3年間使い続けることができます。こうなると、Windows 11への移行に二の足を踏むのも分からなくはありません。

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