現場社員の「言っても変わらない」解消がEX/CX向上の鍵–クアルトリクス
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クアルトリクスは3月5日、2024年度のビジネス戦略発表会を開催した。併せて、同社の研究調査機関「Qualtrics XM Institute」が実施した従業員/顧客体験(EX/CX)に関するグローバル調査の結果から、国内の回答を抽出して傾向を解説した。
カントリーマネージャーの熊代悟氏は、2023年度のハイライトとして(1)テクノロジー投資会社のSilver Lakeとカナダ年金制度投資委員会のCPP Investmentによる買収完了、(2)生成AIを搭載したプラットフォーム「XMOS2」の発表、(3)年次イベント「X4」の3年ぶりのリアル開催と「X4 on Tour Tokyo」の初開催――を挙げた。
(1)について同氏は「SAPとの資本関係は解消されたが、戦略的パートナーとしての関係は継続している。SAPのオペレーティングデータとわれわれのエクスペリエンスデータのシナジーは変わらない」とアピールした。
XMOS2は、2023年8月に国内外での提供が開始された。社内の調査結果を基にレポートを自動生成したり、チームの課題を可視化して改善策を提案したりするCX/EX向けの機能を搭載している。生成AIは「ChatGPT」をベースとしており、自社独自の大規模言語モデル(LLM)の構築にも取り組んでいる。
クアルトリクスは、AIを「人とのつながりを深くできるもの」と捉えている。AIのさらなる活用により同社は、企業が自社の顧客や従業員のデータをリアルタイムかつ幅広く把握し、CX/EXを一層向上させることに取り組む。
具体的には、アンケートなどの「明示的チャネル」だけでなく、SNS/ビジネスチャットツールなどの「間接的チャネル」の両方から顧客や従業員のフィードバックを収集し、理解・分析・可視化を経て、AIエージェントによる顧客対応やエグゼクティブサマリー(事業計画書の要約)の自動生成といったアクションを起こすという道筋を描いている(図1)。
XMOS2では、あらゆるチャネルにおいてより良いCXの提供を支援する「Customer Frontlines」、マネージャーと一般社員の生産性を高めるとともに、データに基づいた迅速な意思決定を支援する「People Teams」、製品・サービスの開発や市場シェアの拡大を支援する「Strategy + Research」という区分のもとソフトウェアを提供する。米Qualtricsは今後4年間で、5億ドル(約750億円)をAIの研究開発に投資すると発表している。
熊代氏は、日本市場における2024年度の活動計画として(1)XMOS2の新機能提供、(2)企業における体験管理(XM)モデルの成熟を支援するサービスの強化、(3)パートナーシップの強化――を掲げる。
(1)では、アンケートデータにとどまらない間接的フィードバックの収集/分析機能の提供、日本語自然言語解析(NLP)機能の強化、音声データをテキスト化する(Voice to Text:VTT)機能の提供を行う。(2)では、収集した体験データをビジネスで活用するためのアドバイザリーサービスを強化する。(3)では、アドバイザリー業務を担うパートナーやサービス同士を連携させるパートナーの新規獲得・関係深化に取り組む。
アドバイザリーサービスについて、同氏は「われわれの製品における導入支援は、システム面というより、『当社のプログラムを活用してどのように企業を変革していくか』というアドバイザリー面でのニーズが高いのではないかと認識した。これまでアドバイザリーサービスというものは明確には確立されていなかったので、まずは社内で提供できる体制を構築し、カバーできない部分はパートナー企業に協力してもらうことを計画している」と説明した。