国内ITインフラ支出動向、IDCが分析結果を発表
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IDC Japanは、国内ITインフラ支出動向調査の分析結果を発表した。
これによると、外部環境の変化やビジネスニーズへの迅速な対応の実現に向けたITインフラ投資を、最優先または優先のIT投資項目とした割合は86.0%に上った。また、デジタルビジネスの成熟度別で見ると、事業開始の当初からデジタルテクノロジーを中核とする「デジタルネイティブビジネス」企業では、ITインフラ投資を最も優先度の高いIT投資領域の1つであるとする割合が60.0%と、高い水準となった。
ITインフラ投資に期待するビジネス成果は、コストの削減、従業員の生産性向上、事業運営の効率化といった、効率化に関する項目が上位を占めている。また、デジタルネイティブビジネス企業は、イノベーションの加速を目的にITインフラ投資を行っている。
今回の調査は、3月に国内企業/組織におけるITインフラ導入の意思決定やITインフラ導入のプロセスに関与する回答者557人を対象に実施した。ITインフラ支出に関するアンケート調査の分析結果に基づいている。
ITインフラ投資の内容については、従業員規模を問わずサイバーセキュリティ対策が最も重視する項目となった。それ以外の項目は、大企業では、ITインフラ運用管理の自動化ツールやパブリッククラウドへの移行を重視している。中小企業や中堅企業では、データ管理/分析基盤や、レガシーシステム、技術的負債の刷新を重視しているという。
ITインフラの導入や運用において最も重要と考えるパートナーについては、システムインテグレーターや、国内のクラウド事業者やITサービス事業者が上位を占めた。さらにグローバルに展開しているクラウド事業者やシステムインフラソフトウェアベンダーが続いている。中でも最高情報責任者(CIO)は、ネットワークベンダーやコンサルティング会社も重要なパートナーと考えていることが分かった。
AIワークロード向けのITインフラの利用意向では、アクセラレーターを利用するパブリッククラウドのAIインスタンスの回答率が52.4%となった。自社専用のハードウェアにおいても、アクセラレーターを搭載したハードウェアを利用する意向が強くなっている。さらに、生成AIの学習用途では、パブリッククラウドを利用する意向が強く、専有型ITインフラやエッジと大きく差がついた。
AIインフラの導入/運用の課題では、IT人材の確保、データセキュリティやプライバシーの確保が上位となった。こうした課題の解決手段として、専有型のas a Serviceソリューション、パブリッククラウドサービスおよびこれらのハイブリッド、さらには基盤モデルや開発環境も含むマネージドサービスなど、AIインフラ向けのITインフラサービスへの期待が大きくなっているという。
一方、仮想化環境の今後の方針についても調査したところ、回答者の71.6%が仮想化環境に何らかの変更を検討していることが明らかになった。IDCによれば、その多くは情報収集や検証の段階だが、ハイパーバイザーを変更する具体的な計画や、パブリッククラウドサービスなどに移行する予定がある回答者も一定の割合で存在しているという。