「Fusion Applications」には50以上の生成AI機能が実装–オラクルのSaaS基調講演

今回は「「Fusion Applications」には50以上の生成AI機能が実装–オラクルのSaaS基調講演」についてご紹介します。

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 日本オラクルは4月18日、プライベートイベント「CloudWorld Tour Tokyo」を都内で開催した。アプリケーションをテーマにした基調講演には、米Oracle アプリケーション開発担当エグゼクティブ・バイスプレジデントのRondy Ng氏が登壇し、同社SaaS「Oracle Fusion Cloud Applications」の最新動向を語った。

 Ng氏はまず、「多くの企業が不確実な世界でコストや労力を抑えつつも、より多くの成果を達成することが求められており、『ChatGPT』をはじめとする生成AIなど新しいテクノロジーが根本的なアプリケーションの在り方を変えている。そうした中、イノベーションのスピードがビジネスにとって非常に重要となっている」と指摘した。

 その上で、Oracleはアプリケーションからインフラストラクチャーまで完全なテクノロジースタックを提供する唯一のSaaSベンダーであるといい、「顧客企業のエンドツーエンドのビジネスプロセスに必要なものを全て提供していく」とアピールした。

 同社のインフラストラクチャーやアプリケーションは常に進化を続けており、そうした最新のソリューションを活用することで、ダウンタイムを短く抑え、セキュリティを高く保つことができる。

 Ng氏は「Oracleはビジネスに特化したAIを構築している」と続ける。OCIを基盤に高度なAI機能を活用することで、Oracle Fusion Applications内に50以上の生成AIのユースケースを組み込んでいると説明した。

 講演では、「Oracle Fusion Cloud Customer Experience(Oracle Cloud CX)」「Oracle Fusion Cloud Human Capital Management(Oracle Cloud HCM)」「Oracle Fusion Cloud Enterprise Resource Planning(Oracle Cloud ERP)」「Oracle Fusion Cloud Supply Chain&Manufacturing(Oracle Cloud SCM)」の生成AI機能が紹介された。

 Oracle Cloud CXの「サービスWebチャット要約」は、ユーザーとコールセンター担当者のチャットでのコミュニケーションを要約する。要約された情報は応対履歴として保存でき、エージェントの業務負荷を軽減する。Oracle Cloud HCMでは、求職者の経歴やキャリア目標に最適な求人かどうかを判断する時間を短縮するため、求職者に職務がどの程度適合するかについて要約して提示することが可能となっている。

 Oracle Cloud ERPには、パターン認識に基づいて、異常、差異、バイアスを特定する「インサイト・ナラティブ」や財務担当者が予測モデルによって生成された予測や予測につながる主な要因を説明するための文脈に沿った解説を生成する「ナラティブ・レポート」が組み込まれている。

 Oracle Cloud SCMは、検索エンジン最適化(SEO)のためのキーワードを強調する、標準化された製品説明を迅速に生成する製品担当者向けのAI機能や、サプライヤーを迅速かつ効率的に追加できるよう支援する調達担当者向けのAI機能を搭載する。

 Oracle Cloud SCMについてはさらに、新たなサプライチェーン実行機能として「Oracle Smart Operations」も紹介された。これは、サプライチェーンの現場業務にデジタル技術を導入することで、生産性と品質の向上、計画外ダウンタイムの削減、業務全体の可視性を高め、工場におけるパフォーマンスの向上を支援するものになる。

 近年、企業経営においてサステナビリティーの重要性がますます高まっていることは言うまでもないが、Oracleでは、サステナビリティーへの取り組みを効率的に測定、管理できるよう支援する「Oracle Fusion Cloud Enterprise Performance Management(Oracle Cloud EPM)」向けの新たなソリューションとして「Oracle Cloud EPM for Sustainability」を発表している。

 組織全体のデータ・計画・目標を結び付け、成果を最適化するために複数のシナリオをモデル化することで、経営層がサステナビリティーの目標を達成するのに必要なインサイトを得ることができるとしている。

 Ng氏は講演の最後に、「Oracleは製品の能力を常に進化させ、顧客優先の考え方を重視している。われわれの成功は、提供する機能の数ではなく、顧客がSaaSを効果的に使い、そこから得られる利益の大きさによって評価されるものだ。日本は革新的な国であり、Oracleが変革のパートナーとして選ばれたことを大変うれしく思う」と締めくくった。

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