NTTデータ社長が語る「DX支援に向けたコンサルティング力の強化策」とは

今回は「NTTデータ社長が語る「DX支援に向けたコンサルティング力の強化策」とは」についてご紹介します。

関連ワード (CIO/経営、松岡功の「今週の明言」等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉を幾つか取り上げ、その意味や背景などを解説している。

 今回は、NTTデータ 代表取締役社長の本間洋氏と、日本ビジネスシステムズ 代表取締役社長の牧田幸弘氏の発言を紹介する。

 NTTデータは先頃、2022年度(2023年3月期)の決算と今後の業績見通し、および現在進めている2025年度(2026年3月期)までの中期経営計画の取り組み状況について発表した。本間氏の冒頭の発言はその発表会見で、コンサルティング力の強化について述べたものである。

 中期経営計画では、実現する姿を「業界の枠組みを超えた連携による社会課題の解決とConnectivityを活用した提供価値の向上」、戦略の柱を「コンサルティング力と技術力の強化を両輪で進め、アセットとして徹底活用することで、競争力強化と事業ポートフォリオを進める」、戦略の土台を「中長期的な競争力維持に向けた人財の獲得・育成と活躍の場の創出」と定義し、図1に示すように5つの戦略を打ち出している。

 本間氏はそれぞれの取り組み状況として、次のように説明した。

 戦略1の「ITとConnectivityの融合による新たなサービスの創出」については、「業際連携や(海外事業を推進する)NTT Ltd.との連携により、事業分野単体の枠を超えた価値創出を加速する」、さらに「データセンター事業を中長期的な事業基盤の重要な柱と位置付け、Hyper Scalerとのパートナーシップ強化と、エンタープライズ向けサービスの事業展開を目指す」とのことだ。

 戦略2の「(あるべき姿を意味する)Foresight起点でのコンサルティング力強化」では、「Foresight起点でのコンサルティングサービスの推進と同時に、グループ内の連携による経営からITまで一体となったコンサルティングブランドの確立を進める」としている。

 戦略3の「アセットベースのビジネスモデルへの進化」については、「ベストプラクティスやグローバルテクノロジーをアセット化して全社で活用し、労働集約型から知識集約型のビジネスモデルへ進化させる」構えだ。

 戦略4の「先進技術活用力とシステム開発技術力の強化」では、「目先の事業貢献と将来の強みづくりを両輪で進めると同時に、積極的にビジネスに活用することで確実性の高い出口戦略につなげる」とのことだ。

 戦略5の「人財・組織力の最大化」については、「個々の人財に着目したきめ細やかな制度・仕組みの浸透に加え、グローバル企業体として必要な人財の獲得・育成を進める」という。

 これらの戦略の中でも筆者が最も注目しているのが、戦略2に挙げられている「コンサルティング」だ。システムの構築や運用を行うITサービスベンダーは、これまで既存の業務をIT化する仕事が多かったが、これからは最新のデジタル技術を活用して新しいサービスやビジネスモデルの創出に向け、顧客企業と“共創”していく存在であることが求められるようになる。そこでベンダーに今、強く期待されているのは提案をはじめとしたコンサルティング力だ。

 そうした背景を踏まえて、会見の質疑応答で「5つの戦略の中でも今、最も強化すべきはコンサルティング力ではないか」と聞いてみたところ、本間氏は次のように答えた。

 「5つの戦略については全て注力していくが、ご指摘の通り、われわれにとってコンサルティングは、とりわけお客さまのデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援する上でますます重要なケイパビリティーとなっている。当社としては、提案しっぱなしではなく、確実にシステムとして実現させることでお客さまから確固たる信頼を得ることを真骨頂としている。コンサルティングが非常に重要だという認識は強く持っている」

 「提案しっぱなしではなく」との表現に、競合するコンサルティングファームとの対抗意識が見て取れたやりとりだった。

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