コンテナイメージなのにブート可能な新技術による「Image mode for Red Hat Enterprise Linux」、Red Hatが発表。レジストリなどのコンテナ関連ツールがそのまま利用可能
今回は「コンテナイメージなのにブート可能な新技術による「Image mode for Red Hat Enterprise Linux」、Red Hatが発表。レジストリなどのコンテナ関連ツールがそのまま利用可能」についてご紹介します。
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本記事は、Publickey様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
Dockerコンテナで使われるコンテナイメージは、そもそもOSのカーネルなどが含まれていないためそれ単体で実行することはできず、コンテナに対応したOSの上にデプロイすることで実行されます。
このコンテナイメージのフォーマットは業界標準の「OCIコンテナ」(Open Container Initiativeコンテナ)として標準化されていますが、このOCIコンテナのフォーマットを守りつつ、ベアメタルサーバ上でブート可能な「ブータブルコンテナイメージ」の開発が進められています。
ブータブルコンテナイメージとは?
ブータブルコンテナイメージは、カーネルやデーモンなどの単独で実行可能なOSとしての機能が備わっています。
と同時にコンテナイメージとしても扱えるため、(Dockerfileに相当する)ContainerfileでOSの構成を記述してビルドし、出来上がったイメージをコンテナレジストリに登録することが可能です。
登録されたブータブルコンテナイメージは、別のマシンでレジストリから取得してリブートすると起動します。OSの入れ替えもレジストリから取得してリブートするという手順で可能になります。
これにより、ブート可能なOSの構成をまるでコンテナと同じように、構成ファイルやコンテナレジストリによって管理できるようになります。
コンテナに対して用いられていたツールがそのままブータブルコンテナイメージに対しても利用できるため、これまでアプリケーション開発時に使われていたコンテナを用いたライフサイクルマネジメントを、そのままOSにも用いることが可能になります。
RHELをブータブルコンテナイメージで提供、管理可能に
Red Hatは、このブータブルコンテナイメージを用いた「Image mode for Red Hat Enterprise Linux」をテクニカルプレビューとして発表しました。
Image mode for Red Hat Enterprise Linux allows you to use the same tools, skills and patterns as containerized apps, so ops and infrastructure teams can speak the same dialect as developers. Get your hands on #AI-ready #Linux: https://t.co/jXlNt30BcC #RHSummit pic.twitter.com/tAJlVJNWeT
— Red Hat @ #RHSummit (@RedHat) May 7, 2024
前述のブータブルコンテナイメージが備えるさまざまな利点を、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)で利用可能になります。
と同時に、コンテナ関連ツールであるPodman Desktopでこのブータブルコンテナイメージを扱えるようにする「Bootable Containers extension for Podman Desktop 」の提供も発表しました。ブート可能なコンテナイメージのビルドや管理などが可能になります。
Podman DesktopはDocker Desktopの代替になり得るツールとして知られています。
参考:Docker互換のコンテナエンジン「Podman 5.0」正式リリース。Macでの安定性や性能が大幅に向上
コンテナ技術の登場は、アプリケーションの開発やデプロイを含むライフサイクル全体を大きく変えてきました。その変化の波が、OSの分野にまで拡大されることになりそうです。