トレジャーデータ、部門固有のニーズに応えるエントリーパッケージを提供

今回は「トレジャーデータ、部門固有のニーズに応えるエントリーパッケージを提供」についてご紹介します。

関連ワード (マーケティング、流通テック最前線等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 米Treasure Dataの日本法人トレジャーデータは5月22日、パートナー企業との連携により、顧客データ活用サービス「Treasure Data CDP」のエントリーパッケージの提供を開始したと発表した。第一弾として、Legolissから「広告ROI最適化パッケージ」、UNCOVER TRUTHから「CDPオンボーディングパッケージ」を提供する。

 広告ROI最適化パッケージは、EC事業者らを対象に、広告費用の最適化を支援する。同パッケージは、広告流入から企業やブランドのファンになるまでの顧客導線を一元管理し、顧客生涯価値(LTV)も加味した広告評価で投資利益率(ROI)を最適化する(図1)。

 顧客とのコミュニケーションでは「初回の広告接触から購入まで」「購入後のリピート化・ファン化」という2つのフェーズがある。それぞれのフェーズにおける改善活動は実行可能だが、データの分断により両フェーズの取り組みを一貫して行うのは困難だった。

 これにより、例えば「CPO(新規顧客1人の獲得にかかった費用)は安価だが、リピート購入にはつながりにくい」といった洞察を担当者が数値に基づいた形で得ることが難しかったという。広告ROI最適化パッケージはデータを統合・可視化するため、担当者は専用画面を確認すれば最新のLTVを加味した広告評価を行えるとしている。

 加えて、同パッケージは広告運用への顧客データ活用も支援する。顧客データを「Google」や「Facebook」などの広告媒体データと自動連携することで、顧客企業の商品に関心を持っているユーザーに広告を配信するとともに、既に購入しているユーザーへの広告配信を防ぐ。

 CDPオンボーディングパッケージは、ECサイトを持つ小売事業者らを対象に、コンバージョンレート(CVR)の改善やロイヤリティー顧客の育成による売上向上を支援する。Treasure Data CDPの運用に強みを持つ同社は、店舗やECでの購買履歴といったデータソースの収集、データ統合によるCDP化、顧客セグメントを作成する機能「Audience Studio」の構築など、サービス運用の基礎となる業務を担うことで、その後の施策の実行、データ拡張、施策の高度化を支援する(図2)。

 例えば、ロイヤリティー顧客のデータを抽出して過去の行動/購買履歴を明らかにし、Audience Studioで将来的にロイヤリティー顧客になり得る人々を抽出する。この情報を基に担当者はメールやクーポンの配信などを戦略的に行うことで、ロイヤリティー顧客に育成することが期待される。

 トレジャーデータは、顧客企業におけるニーズの多様化を受けて多様な企業との協業を進めており、現在のパートナー企業数は約40社に上る。パートナー企業との連携によるエントリーパッケージ提供の背景について、同日開催の説明会に登壇したトレジャーデータ 執行役員 パートナーアライアンス本部 本部長の正木大輔氏は「部門ごとに異なるニーズ」を挙げた。例えば、広告宣伝部門ではリーチの最大化、マーケティングコミュニケーション部門ではデジタル広告のコンバージョン率改善、EC部門では売り上げの拡大など、部門によってニーズが多岐にわたる(図3)。

 大規模案件の契約では高い勝率を誇るというトレジャーデータだが、こうした部門ごとの細かいニーズへの対応には課題があった。部門ごとの案件では「初期費用を抑えてほしい」「早期に導入してほしい」「確実なROIを出してほしい」という要望がある。同社は、顧客企業のニーズとパートナー企業の得意分野を鑑み、部門単位の課題解決を支援するエントリーパッケージの提供を進めるとしている。

 今回提供されるエントリーパッケージは単独で導入でき、各部門に割り当てられている予算内で購入してもらうことを見込んでいる。両パッケージの価格は、通常の大規模案件のおよそ4~5分の1だという。

 トレジャーデータは広告ROI最適化パッケージとCDPオンボーディングパッケージに加え、顧客のニーズに合わせた複数のパッケージ提供を予定しており、2025年5月末までに30社での導入を目指している。これにより、現在42.5%に上るというTreasure Data CDPの国内市場シェアを一層向上させることを図る。

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