パロアルトネットワークス、中小企業向けの販売戦略を大幅強化

今回は「パロアルトネットワークス、中小企業向けの販売戦略を大幅強化」についてご紹介します。

関連ワード (セキュリティ等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 パロアルトネットワークスは8月8日、記者説明会を開催し、8月からの同社の新事業年度に合わせて中小企業向けの販売戦略を大幅強化すると発表した。全国販売網の拡大やパートナープログラムの拡充を図る。

 同社の国内ビジネスは、これまで大企業や公共組織向けが中心だったという。中小企業への販売拡大は、グローバルでの事業戦略における柱の1つに位置付けているとし、国内では、3月14~16日に従業員50~499人規模の企業でセキュリティの製品やサービスの購入に関与する担当者523人にアンケートを実施。回答者の組織におけるセキュリティ実態を踏まえた施策を立案しているという。

 まず調査結果を説明したチーフサイバーセキュリティストラテジストの染谷征良氏によると、2023年にサイバー犯罪被害を経験した組織は44%に上り、89%はサイバーセキュリティのリスクが自社のビジネスに影響することを懸念していることが分かった。95%は自組織にとってセキュリティ対策が重要だと認識しており、85%は自社のセキュリティ対策に課題があると回答した。

 染谷氏は、現在の中小企業の多くがサプライチェーンを構成するようになり、日々インシデントが多発する状況下で、セキュリティのリスクと対策の重要性への意識が高まっていると指摘した。かつて頻繁に聞かれたという、「我が社はサイバー攻撃には狙われない」といった感覚は、既に過去のものになっていると指摘する。

 調査では、中小企業のセキュリティ意識向上が判明したものの、依然としてセキュリティ対策に必要な人材、費用、方法、情報の不足が課題であることも明らかになった。

 セキュリティ専門担当者を設置している組織は15%にとどまり、44%はIT担当者の兼務、34%は総務など非IT担当者の兼務、9%は担当者自体が不在だった。予算の制約を課題とした組織は42%、十分な対策が分からないという組織は33%だった。

 また、61%がセキュリティ製品やサービスの情報を普段取引のある販売店から入手しているとし、購入時に重視するポイントの上位3つでは性能の高さ、運用コスト、管理のしやすさが挙がった。特にコストに関して染谷氏は、購入コストが上位3つに挙げられなかった点が意外だと述べた。購入よりも運用のコストを課題とする結果の背景には、中小企業のセキュリティ意識の高まりがあるようだ。

 この調査結果を踏まえた販売施策をエコシステム事業本部長の鈴木康二氏が説明した。まず全国販売網の拡大では、現在約400社の販売パートナーを今後3年間で1200社に増やすとし、新たに北海道・東北、中国・四国、九州・沖縄の3エリアで地域担当を新たに配置する。

 また、販売パートナー向けプログラム「NextWave」で、中小企業向けの内容を拡充する。新規パートナー獲得のため、案件登録の簡素化とマネージドサービスの強化、マネージドサービス販売における最低ライセンス数の撤廃、アプライアンス機器の在庫確保による迅速な製品供給を図る。

 特にマネージドサービスでは、同社が近年に推進している製品・サービスのプラットフォーム化を訴求する。鈴木氏は、ウイルス対策やファイアウォールといった機能別製品・サービスの導入・運用では、中小企業のセキュリティ対策において抜け漏れ、未実施領域の存在が大きなリスクになると述べる。このため同社は、エンドポイント/ネットワーク、クラウド、先進的/高度化の3つの領域を設定して、プラットフォームとして製品・サービスを提供している。

 中小企業への展開では、販売パートナーにこれらのプラットフォームをマネージドサービスとして提供してもらうべく、新規パートナーには製品やサービスの検証機材、環境を無償で提供していく。また、販売体制の構築やマネージドサービスの提供、販売協力に応じたリベートプログラムも用意する。中小企業顧客の導入促進に向けた競争力のある価格も設定するとしている。

 鈴木氏は、これらの施策をパートナーと連携して推進することで、上述の中小企業のセキュリティ課題に対応しながら対策の強化を支援できると説明した。同社の施策については、SB C&S、大塚商会、JBCC、ダイワボウ情報システム、リコージャパンの5社が賛同を表明し、同社と連携して2次販売店などの支援に当たるという。

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