HPE、持続可能で責任ある事業に向けた成果を明らかに–2023年「Living Progressレポート」

今回は「HPE、持続可能で責任ある事業に向けた成果を明らかに–2023年「Living Progressレポート」」についてご紹介します。

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 ヒューレット・パッカード エンタープライズ(HPE)は2024年9月3日、同社の環境、社会、コーポレートガバナンス(ESG)に関する目標と取り組みについてまとめた年次報告書「Living Progressレポート2023年度(日本語版)」を公開した。

 HPEのESG戦略である「Living Progress戦略」は、データファーストの世界のために持続可能で責任あるテクノロジーソリューションを創造するという同社のミッションを中心とし、「ネットゼロの加速」「人への投資」「誠実な運営」という3つの柱で構成される。同社のESG戦略は、コンプライアンス対応や義務的な情報開示にとどまらず、持続可能性と責任、サステナビリティーとレスポンシビリティーを同社の事業戦略と統合したものだとサステナビリティ推進部 部長 兼 ガバメントリレーション担当の安本豐勝氏は強調する。

 ネットゼロの加速に関する取り組みでは、バリューチェーン全体で温室効果ガス(GHG)排出量を削減し、気候変動への回復力を構築するための行動を事業全体で取ることがビジネス上の急務であると考え、2040年までに自社事業の排出量(Scope1、2)と自社以外の供給網(Scope3)による排出量を2020年比でともに90%削減することに取り組む。

 HPEは、「Science Based Targets initiative(SBTi)」によって承認された2040年(またはそれよりも早い時期)のネットゼロ目標を掲げる最初のグローバルIT企業の1社。SBTiの承認基準に整合した同社のロードマップは、1.5度目標に合致しており、オフセットよりも実際の削減を優先しているという。

 同社全体の排出量の75%は、バリューチェーン全体における電力消費による。特にCPUなどの製品の使用によるものが大きいことから、同社ネットゼロ戦略は、クリーンエネルギーへの移行とソリューションの効率改善に重点を置いている。

 クリーンエネルギーへの移行では、自社の事業活動において、再生可能エネルギーの使用を2025年までに50%にするという目標を2023年に前倒しで達成。2030年までに100%にすることを目指している。サプライチェーンの上流においては、2023年に製造サプライヤーで再生可能エネルギーの使用が増加したことにより、排出量が18%減少した。また、2030年までに製造サプライヤーの80%が科学的根拠に基づく排出量削減目標を設定するという取り組みは、2023年で67%まで達成した。

 同社は、製造サプライヤーの削減活動を支援するため、排出量を測定・管理するツールや学習・研修の機会を提供しているという。

 サプライチェーンの下流では、顧客による同社製品・サービスの使用に伴う排出量が大半で、HPEのGHG排出量の約3分の2を占める。そのため、顧客がITインフラ・環境のエネルギー消費と排出量を削減できるよう、同社製品やソリューションに関する効率改善を含めた総合的支援を提供している。

 主なIT効率改善として、最新の「HPE ProLiant Gen 11」サーバーは、旧世代製品と比べ、より小さなフットプリントでコンピュート機能の統合・拡張が可能で、電力・冷却スペースを削減する。また、2023年には、エネルギー効率の高いスーパーコンピューターのリスト「Green500」に103の同社システムがラインクインし、「Frontier」を含む6システムがトップ10入りした。Frontierは、米エネルギー省およびオークリッジ国立研究所とで共同開発され、世界で初めてエクサスケールを実現し、TIMEの「Best Inventions of 2023」に選出されたという。

 同社では、IT効率改善に向けた次世代テクノロジーの研究開発が継続して行われており、2023年には23億5000万ドル(約3500億円)が研究開発に投資され、783件の特許を取得。その中にはITサステナビリティーのメリットをもたらす特許も含まれている。加えて、795件の特許も新たに出願されている。

 現在、AIが急速な成長によりエネルギー需要が大幅に増加しており、IT環境の効率性と持続可能性への注目がさらに高まっている。同社は、顧客のIT環境の持続可能性を高めるために、「専門知識とアドバイス」「データと可視性」「低炭素で責任あるソリューション」に重点を置いたソリューションを提供する。

 専門知識とアドバイスでは、「HPE Right Mix Advisor」により、HPEのエキスパートがワークロードを評価し、消費電力およびカーボンフットプリントに関する情報を提供する。「HPE Edge-to-Cloud Adoption Framework」は、サステナビリティー目標達成に向けたモダナイゼーション計画の策定を支援する。

 データと可視性では、「HPE Sustainable Insights Center」により、HPE製品のみならず、顧客のITインフラ環境全体のエネルギー消費量を排出量や関連コストを含めたデータとして常時監視することを可能にする。これにより、顧客はITインフラの環境負荷の要因把握や手を打つべき対象の特定といった継続的な改善活動を行える。

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