今だからこそ考えたい「大事なデータの管理の仕方」–独ITベンチャー企業の主張から考察する
今回は「今だからこそ考えたい「大事なデータの管理の仕方」–独ITベンチャー企業の主張から考察する」についてご紹介します。
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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
クラウド、オンプレミス、それらを組み合わせたハイブリッドクラウドと、企業や組織のIT環境は今、多様化が進んでいる。そうした中で最も気を付けるべきことは何か。そう問われた時に「大事なデータの管理」と答える人がどれくらいいるだろうか。当然のことながら意外に忘れられがちな重要データの管理法について、このほど独ITベンチャー企業の取り組みを聞いて改めて考えさせられたので、今回はこの話を取り上げたい。
これからの企業や組織のIT環境は、クラウド化がどんどん進むのか、それとも相当程度がオンプレミスのままなのか。つい、そうした利用形態ばかりに目が行ってしまいがちだが、それよりもユーザーにとって最も大事なのは、自分たちのデータをどうしっかりと管理して自由に活用できるようにするか、ではないか。
そんなことを考えさせられたのは、「Nextcloud」という独ITベンチャー企業が「自分たちの大事なデータは自分たちでしっかり管理して活用できるようにする」ことを掲げ、ハイブリッドクラウドにおいてオンプレミスの資産を有効活用し、ファイルの共有やチャットなど自社データの自己管理・運用を実現するビジネスツール「Nextcloud Hub」を日本で本格展開するとの発表会見に出向いて触発されたからだ。
Nextcloud Hubはオンプレミスのサーバーやデータセンターに導入し、インターネットを経由したデータ共有によって社内外での情報のやりとりを可能にするビジネスツールだ。具体的には、ビデオ会議やチャットなどのコミュニケーションやグループウェア、さらにAIアシスタント機能も備えている。
Nextcloudは2016年に最高経営責任者(CEO)のFrank Karlitschek(フランク・カーリチェック)氏らが創業し、オープンソースのファイル共有ツールを企業や教育・研究機関に提供し始めたのが発端だ。その後、ビジネスツールとしての機能を拡充し、今回AIアシスタントの日本語対応を機に日本での事業強化に乗り出した。日本ではITサービスベンダーのスタイルズが、パートナーとしてNextcloud Hubの構築やサポートなどを提供しており、今後さらに連携強化を図っていく構えだ。
Nextcloud Hubの最大の特徴は、データをクラウドサービス事業者に預ける必要があるオンラインビジネスツールとは異なり、自社のセキュリティ指針に則ったデータの自己管理と円滑なファイル共有を両立できることにある。第三者へのデータ漏洩を回避することで、欧州連合(EU)の一般データ保護規則(GDPR)や欧州サイバーレジリエンス法(CRA)、米国の医療保険の携行性と責任に関する法律(HIPAA)やカリフォルニア州消費者プライバシー法(CPA)、さらには日本の個人情報保護法など、世界的に進むデータ保護の法規制にも対応している。
上記の説明でNextcloudにおけるデータの管理および保護へのこだわりを感じ取っていただけたかと思うが、筆者が今回この話を取り上げたのは、この機に来日して説明役を担ったKarlitschek氏の発言が非常に印象的だったからだ。その内容を以下に紹介しよう。