「Zoom×生成AI」で何が起きるのか–ZVCエリック・ユアンCEOの野望

今回は「「Zoom×生成AI」で何が起きるのか–ZVCエリック・ユアンCEOの野望」についてご紹介します。

関連ワード (CIO/経営、松岡功の一言もの申す等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 「Zoom」で生成AIを活用できるようにすると、どんなことが起きるのか。この点について、Zoomを提供する米Zoom Video Communications(以下、ZVC)の最高経営責任者(CEO)で創業者のEric Yuan(エリック・ユアン)氏の説明が非常に興味深かったので、今回はその内容を取り上げたい。

 「進化したZoomは、人と人をつなげるAIファーストのワークプラットフォームになった」(写真1)

 ZVCが先頃、米カリフォルニア州サンノゼで開催した年次イベント「Zoomtopia 2024」のオープニングキーノートでスピーチを行ったYuan氏は、同社が提供する生成AI「Zoom AI Companion」(以下、AIコンパニオン)をZoomで活用できるようにしたことによる「進化したZoom」について、こう説明した。

 同社がAIコンパニオンを発表したのは2023年9月。同10月初旬に開催した「Zoomtopia 2023」で大々的に披露した。今回もZoomtopia 2024の開催を機に最新版「2.0」を発表した。最新版の内容については発表資料をご覧いただくとして、本稿では今回のイベントでのYuan氏のスピーチに注目した。

 同氏はまず、「AIコンパニオンによって私たちは自由になり、新たな仕事がどんどんできるようになる」と強調した。どういうことか。同氏は自身とAIコンパニオンによる日常のやりとりのイメージについて、次のように話した。

 「今日のスケジュールを見ると、会議が10件入っている。これまではこれらを自分一人でこなさなければならなかった。しかし、今は私のAIコンパニオンと毎朝打ち合わせをして、『Eric、今日は会議が10個入っているけど、そのうち、あなたの意思決定が必要な会議は1つだけだから、あとはこちらで対応できそうなので指示してほしい』といった内容を踏まえてその日の行動を確認している」

 上記は会議だけの話だが、それに加えて日々大量に送られてくる電子メールやチャット、ボイスメールなどに対しても、ルーチンワークの中で素早い返信が必要なものにはAIコンパニオンが対応することもできるという。

 その上で、Yuan氏は「このAIは単なるアシスタント(助手)ではない。優秀なコンパニオン(伴走者)として私をサポートしてくれる」と強調した。筆者の感覚では「分身」というイメージだ(写真2)。

 ただ、会議や電子メールなどは内容を知らせる意味合いがある。その点については説明がなかったが、おそらくAIコンパニオンがそれらの要点を整理してフィードバックする仕組みになっているのだろう。要は、同時並行でこなさなければならないような仕事に、AIコンパニオンが分身となって代役を担ってくれるというイメージだ。これにより、仕事のスピードアップが図れるので生産性が向上するとともに、考える時間をしっかりと確保することで新たな発想が生まれる可能性が高くなるというわけだ。

 もちろん、そうしたAIコンパニオンには、自分の仕事における考え方などのデータを教え込まなければならない。そこは普段の会話のやりとりや毎朝の打ち合わせでの指示を重ねていけば、何とかなるのだろう。

 このようにAIコンパニオンで何ができるかを自らもワクワクしたように説明してきたYuan氏だが、この話のくだりの最後にこう強調した。

 「ただし、重要な意思決定は決してAIコンパニオンに委ねず、必ず自分で行うことが大事だ」

 これが、AIコンパニオンを使う際の大前提ということだろう。

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