企業の約4割がIT予算の多くをAIに投資、「成果なし」も約4割–シスコ調査
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シスコシステムズは、日本・アジア太平洋地域の企業を対象に行ったAIの取り組み状況に関する分析「Cisco 2024 AI Readiness Index(シスコ2024年AI成熟度指標)」の結果を発表した。これによると、IT予算の多くをAIに投資する企業は約4割あり、成果に至っていないとする企業も約4割に上ることか分かった。
この分析では、日本・アジア太平洋地域の従業員500人以上の企業に在籍する3660人のビジネスリーダーを対象に行った調査の内容を「戦略」「インフラストラクチャー」「データ」「ガバナンス」「人材」「文化」の6つの主な観点で評価している。
分析から日本では回答者の95%が前年に比べてAI導入の緊急性が増しているとし、主にミドルマネジメント層や各事業部門のリーダー層がAI導入を最優先にしていた。また、回答者の組織の41%は、IT予算の10~30%をAI導入に充てていることも分かった。
AI投資の対象は、「サイバーセキュリティ」が32%、「データ管理」が25%、「ITインフラストラクチャー」が24%でこの3つに集中していた。企業がAIで達成を目指す主な成果は、「システム効率、プロセス、業務、収益性の改善」「革新を進め競争力を維持できること」「リスク管理の強化と事業リスクの軽減」の3つが上位だったという。しかしながら、約40%が現在のプロセスや業務の拡充、支援、自動化において、AIに投資をしても「全く成果がない」「期待通りの成果が得られていない」と回答した。
企業でAIを展開する担当は、ミドルマネジメント層が51%、経営層が44%、コーポレート部門責任者が34%だった。IT予算の40%以上をAIに投資している企業は1%だったが、今後4~5年でこの水準に引き上げる計画の企業は15%に上った。
日本企業の56%は、全般的なAIの成熟度を高めるために、ITインフラストラクチャーの拡張性、柔軟性、管理性の向上が最優先事項だと考えていた。しかし、現在および将来のAIニーズに対応できるGPUを所有する企業は14%にとどまり、AIモデルのデータをエンドツーエンドで暗号化している、セキュリティ監査や継続的な監視、迅速な脅威対応により保護できるとする企業も16%で、このギャップの解消が最優先事項になっているという。