建設DX推進の障壁は「ノウハウ不足」だけではない–Arentが調査
今回は「建設DX推進の障壁は「ノウハウ不足」だけではない–Arentが調査」についてご紹介します。
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建設業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するArentは1月28日、建設業界におけるDXの実態に関するアンケートを実施し、その結果を発表した。実施企業の約5割がDXは初期段階にとどまっているという。
アンケートは、2024年7~12月にArentが登壇したセミナーや展示会で実施。299件の有効回答が得られた。
「DXの実施状況」については、回答者の約56.5%が「実施中」と回答し、全体の半数以上を占めた。一方、「実施済み」と回答した企業は2.7%にとどまり、DX推進が進行中であることが分かる。「検討中・計画中」の回答は15.8%で、今後、DX導入の動きが加速する可能性が高いと示した。
「DX実施の目的」の問いに対し最も多かった回答は、「コスト削減・業務効率化」で、全体の39.2%。「顧客や市場の変化への対応」(16.8%)、「データ分析」(13.6%)と続き、効率化が目的であることは明確になっている。前回の調査では「コスト削減・業務効率化」が30%であり、約9.2ポイント上昇した一方、「顧客や市場の変化への対応」は前回の19%から今回は16.8%に減少している。
「DX推進の内容について」、最も多く実施されている取り組みは「ビルディングインフォメーションモデリング(BIM)活用」(38.2%)。次いで「新しいシステム/ツールの導入」(26.5%)、「AI活用」(21.9%)と続く。一方、「老朽化した既存システムの切り替え」(9.4%)、「外部への委託」(4.0%)となり、デジタルツールや技術の導入が進む一方で、外部リソースへの依存は比較的低いようだ。
「DX推進における障壁」について尋ねると、「人材不足」で18.9%の回答があり、最大の障壁になっている。続いて「技術的な課題」(15.7%)、「ノウハウがない」(14.3%)と、技術と知識面の課題も挙げられている。「組織文化」は12.3%で、変革に対する内部の抵抗が推進の妨げになっているという。
「社内で利用しているシステムへの課題感」は、「データが整理されていない」が23.2%で最も多く、「データ連携が困難」(21.6%)、「技術や性能に限界がある」(12.8%)となった。これらの結果から、データ管理と連携の改善が重要であることが分かる。
「DX人材について」は、「DX人材不足」と回答した企業は83.1%と非常に高い割合を占めた。一方で、社内に十分なDX人材がいると回答した企業は8.4%にとどまり、外部から人材を採用している企業も同様に8.4%となった。内部育成と外部採用の両方で課題がある状況のようだ。
今回の調査を経てArentでは、DX推進においては現場と組織の連携が不可欠であり、人材の育成と確保が成功の鍵を握る。データ連携や技術的課題の解決は、DXの効果を最大限に引き出すための重要な要素だとした。加えて、社内システムの課題に関しては、データの管理や連携を改善することが業務効率化への出発点であることが示唆されると分析している。