Scaled Agile、製造や政府機関向けのアジャイル組織化の支援などを展開へ

今回は「Scaled Agile、製造や政府機関向けのアジャイル組織化の支援などを展開へ」についてご紹介します。

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 Scaled Agileは、2025年の事業戦略として、特に日本で製造や政府機関向け施策の拡充やパートナー体制の拡大などを図るという。パートナーおよびアライアンス担当バイスプレジデントのPhil Knight氏が取り組みを説明した。

 同社は、大規模組織がアジャイル(俊敏、活発)な文化や体制、事業運営などを実現するためのフレームワーク「Scaled Agile Framework」(SAFe)の開発や展開、教育トレーニング、普及啓発などを手掛ける。グローバルで多様な業種の2万以上の組織が導入し、110カ国以上で約200万人が受講しているという。パートナーは、グローバルではAccentureやRed Hat、KPMG、PwCなど約550社に上り、国内ではNTTデータや富士通、NEC、TIS、TDCソフトなどがある。

 Knight氏は、英国を拠点として、米国と欧州など各地域のパートナーとのSAFeに関するアライアンスを所管する立場にあり、その経験から、SAFeを活用して変革に取り組む企業や組織は米国や英国などが多く、欧州や中南米などの一部の国々でも導入が始まりつつあるとのこと。一方で、日本は関心が高まりつつあるものの取り組みが本格的に広がるのはこれからとだとし「日本の現状は先進的な組織がアジャイル変革に取り組み始めた8~9年ほど前の英国に似ている」(Knight氏)という。

 2025年の戦略では、製造業向けプログラムの「SAFe for Hardware」と政府機関向けプログラムの「SAFe for Government」の展開に注力するほか、プログラム受講者の上位者向けコース「Advanced APC」を推進し、これらの取り組みをパートナーと協力して展開していく。

 SAFe for Hardwareは、エンジニアリングプロセスとアジャイル手法を融合して、ハードウェア開発を変革したいとする組織に向けたカリキュラムやトレーニングなどで構成される2日間の専門認定コースになる。新しい働き方やコミュニケーションの向上、リスクの低減、製品の市場投入までの迅速化と、複雑なハードウェア環境固有の課題を乗り越えるためのスキルの獲得に重きを置いているという。

 Knight氏は、特に電動化への対応や中国の新興メーカーの台頭などを背景として大きな変革を迫られている欧州の自動車メーカーからの引き合いが強いといい、ドイツではSAFeの活用が製造業で進んでいると話す。同プログラムは、製造業が多い日本市場でも利用拡大が期待されると述べる。

 SAFe for Governmentは、政府機関の組織が変化やミッション、脅威などに対応しながら、柔軟で透明性のある市民サービスを提供できるように変革していくためのプログラムとなる。Knight氏によれば、特に米国と英国などで導入が先行し、米航空宇宙局(NASA)や米連邦捜査局(FBI)、英国民保健サービス(NHS)など500以上の組織が採用している。「米国ではSAFeの採用が各機関で重要な取り組みに位置付けられており、ほかの国では米国の状況より2~3年ほど遅れて導入が開始されつつある」(同氏)

 SAFe for HardwareとSAFe for Governmentは、日本では2025年下期から本格的に展開していくという。

 Advanced APCは、SAFeを活用しての変革の取り組みを加速させていく位置付けで、「SAFeを学んだ受講者やパートナーが組織において、変革の取り組みを次のレベルへけん引していくことができるようになる」とKnight氏。また、SAFeのカリキュラムやトレーニングの受講者が自身のペースで取り組めるようにする半日程度のコース「SAFe Micro-credentials」も拡充していくとした。

 Knight氏は、これら施策に合わせてパートナー向けプログラムを刷新するとともに、パートナーや受講者のフィードバックを取り入れながら、SAFeやカリキュラム、トレーニング内容なども最新にアップデートしていくと述べる。

 日本向けのこのほかの取り組みでは、2026年2月に「第2回SAFeシンポジウム」の開催を予定。パートナーとの協業施策を継続し、日本での変革事例の発信にも取り組みたいとしている。

 Scaled Agile-Japan カントリーマネージャーの古場達朗氏は、国内でのパートナーの取り組みについて、2019年の設立からまずシステムインテグレーター(SIer)向けに注力し、次にグローバルパートナーでもあるコンサルティングファームとの協業に拡大してきたと説明。現在はSAFeに習熟したパートナーがその顧客に対してサービスを展開している状況だとし、2025年は、戦略に沿ってパートナーの製造や政府公共の顧客向け支援に注力するほか、業界特化型の新規パートナーの開拓も進めるという。

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