リコージャパン、多様な働き方にワンストップで応える–AIとワークプレイスに新提案
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リコージャパンは、デジタルサービス戦略について説明。AI事業およびワークプレイスエクスペリエンス(WE)事業の取り組みに触れた。
AI事業については、新たに「RICOH オンプレLLM スターターキット」の提供を開始することを発表した。
オンプレミスで利用するGPUサーバーと、リコーが開発した700億パラメーターの大規模言語モデル(LLM)、生成AI開発プラットフォームである「Dify(ディファイ)」、AIの動作に必要な各種ソフトウェアをセットとして提供。オンプレミスでのLLM動作環境を構築するとともに、導入時の支援および運用支援も提供する。LLMの導入から運用まで、ワンストップで支援することで、社内にAIの専門人材がいない企業においても生成AIの業務活用を開始できるという。
リコージャパン 取締役 常務執行役員 デジタルサービス企画本部 本部長の宮本裕嗣氏は、「ここにきて、オンプレミスLLMの引き合いが増加しており、中でも、自社や業界の固有の用語に対応したAI環境を整備したい、秘匿性の高い情報はクローズドな状況で活用したい、LLMを使いこなすためのサポートが欲しいといったニーズが高まっている。こうしたニーズの応えたのが今回のスターターキットである。現地への設置、導入時の教育、定期的な情報提供を含む運用支援、問い合わせサポートまでを実現できる点が特徴になる」と述べた。
リコーが開発した700億パラメーターのLLMは、OpenAIの「GPT-4o」と同等の性能を持っているほか、Difyは自社の業種業務に合わせた生成AIアプリケーションなどをノーコードでユーザー自身が作成できるのが特徴だ。
ラック型GPUサーバーやLLM、Dify、AI関連ソフトウェアを含めた同スターターキットの価格は約1500万円~。LLMのファインチューニングなどの価格は別途必要となる。
リコージャパン デジタル サービス企画本部 AIサービス事業センター センター長の児玉哲氏は、「LLMが700億パラメーターとサイズが小さく、サーバーも小規模で済むため、他社製品の約半分の価格で、オンプレミス環境でLLMを利用できる。また、他社よりも短期間でGPUサーバーを提供でき、すぐに業務に活用できるAIが提供可能になる。先行商談では、中堅企業からの引き合いがある」などとした。
既に同社では、問い合わせ対応に特化した「RICOH Chatbot Service生成AIチャット」、デジタルヒューマン/エージェント機能を提供する「RICOH デジタルバディ」を提供しており、今回のAIスターターキットを含めて、「使える、使いこなせるAI」の拡充を進めていく考えを示している。
また、同社では、業種業務に合わせた改善提案を担う「AIエバンジェリスト」を、2025年度までに300人育成する方針を打ち出しており、知能、技能、成果の3つの視点からカリキュラムを構成。既に、業務改善のアイデアとして244件の提案があり、その中から、有用なものとして約50件を選定し、社内実践を進めているという。
例えば、リコージャパンが公開している中小企業応援サイトの記事を、客先で紹介するために、要約資料を作成する作業の負荷を減らしたいという課題に対して、生成AIが最適な「おすすめ事例」を抽出し、提案や事例内容の要約も代行するといった仕組みの構築に取り組んだ実績がある。
「社内のユースケース作りに力を注いでいる。自らの業務の課題をAIで解決したいという案件を出してもらっている。有用なものはブラッシュアップし、社内実践に進め、その成果をお客さまに提案していく」(リコージャパンの宮本本部長)とした。