磁気スプレーで対象を超小型ロボットにする技術 体内に薬を届けた後、自己分解も :Innovative Tech
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Innovative Tech:
このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。
香港城市大学、中国科学院、Shenzhen Institutes of Advanced Technologyによる中国の研究チームが開発した「」は、糸や紙などの材料に吹き付けることで移動可能な超小型の(1cmに満たない)ミリロボットに変換する磁気スプレー技術だ。このミリロボットは磁場で駆動し、転がる、泳ぐ、這うなど移動ができる。人間の体内でも移動できることから、カテーテルナビゲーションやドラッグデリバリーなどの医学的用途でも使える。
磁気スプレーは、鉄、ポリビニルアルコール、グルテンの粒子で構成する。粘着性があるため、対象物に吹き付けると接着剤のようにコーティングする。表面に付着する粒子の厚さは約0.1〜0.25mmと薄いので、対象物の元のサイズから大きく変わることなく、形状、構造を保持できる。
コーティング後に磁化させ、どのように動作するかをプログラムし、磁場により制御する。設定した動作から違う動作へ再プログラミングすることもオンデマンドで容易にできるという。
重要な特徴として、磁場の操作で必要に応じて粉末に分解できることが挙げられる。これは体内の臓器に薬を届けた後や、カテーテルを先頭で誘導した後に、体内で分解できることを意味する。分解したコーティングは、体外に排出されるか体内に吸収される。体内吸収による副作用はごくわずかという。
実験では、糸、折り紙、シリコーンフィルム、プラスチックパイプなどさまざまな素材や形状の物体に吹き付けテストをした結果、いろんな表面で這(は)う、転がる、水中で泳ぐなどの複数の移動モードで動作できることを実証した。
ドラッグデリバリーの実験では、カプセルの薬を生きているウサギの胃に届けることに成功した。
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