サステナビリティーに向けたNHLの新たな取り組み「NHL Venue Metrics」–SAPと協業
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サステナビリティーは2022年、大手企業の間で大きな話題となっている。このため昨今のテクノロジーイベントやプレスリリースのほぼすべてで、サステナビリティーへの取り組みやテクノロジーのカーボンフットプリントの削減について何らかの言及がなされている。
米プロアイスホッケーリーグのNational Hockey League(NHL)は過去12年間、サステナビリティーのイニシアチブを推進してきている。NHLは2010年に「NHL Green」を立ち上げ、その後2014年と2018年にサステナビリティーレポートを公開している。
しかし、企業はその規模を問わず、取り組みにおいてまだまだやるべきことが多くあるという声を上げるようになってきている。これこそNHLがSAPと協力し、「NHL Venue Metrics」プラットフォームを作り上げた理由だ。同プラットフォームは、チームがプレーする施設のサステナビリティーに関する傾向の測定と把握を強化することを目的としている。
筆者は最近、NHLのサステナブルなインフラと成長に向けたイニシアチブを担当するバイスプレジデントであるOmar Mitchell氏と話す機会を得た。同氏は施設を、氷を保つための巨大な冷蔵庫と例えたが、それは間違っていない。誰もが知っているように、冷蔵庫は大量の電力を消費する。
Venue MetricsはSAPによって開発されたプラットフォームだ。NHLと、同リーグの所属チームに施設を提供するパートナーに対して、パートナーの施設だけでなく、リーグで使用されるすべての施設の集積データへアクセスできるようになっている。NHLによると、同リーグにおけるカーボンフットプリントの70%はこうした施設によるものだという。
同リーグと施設はまず、電気/ガスの使用量と水の消費量(ホッケーリンクの製氷のほか、トイレや売店での一般的な水の使用を含む)、ごみやリサイクル物の量を測定することになる。
このツールは、施設から報告されてきたデータを収集し、誤りがないかどうかを検証した上で、該当データを計算式に当てはめて分析し、電気/ガスなどの使用量を導き出す。最終的にこのツールのウェブサイトで、各施設と同リーグが分析結果を閲覧し、洞察を得たり、トレンドを把握したりできる。
アイスホッケーに関する洞察を深めるという目的で、NHLとSAPが協力しているのはこうした分野だけではない。2021年には、試合のリアルタイム分析を強化するデータとツールを利用できる「SAP-NHL Coaching Insights」という「iPad」版のコーチ向けアプリを開発している。