富士通の2022年度第2四半期決算に見る、中期経営計画の現在と今後

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 富士通は10月27日、2022年度第2四半期の決算を発表した。同社にとって2022年度は、現中期経営計画の最終年度であり、2019年6月に就任した代表取締役社長の時田隆仁氏が掲げた最初の経営指標でもある。中期経営計画の指標は、テクノロジーソリューション事業で営業利益率10%、売上収益で3兆2000億円となる。

 売上収益は、当初計画では3兆5000億円としていたが、コロナ禍で事業成長が鈍化。2022年4月に3兆2000億円に下方修正したものの、営業利益率10%の目標は維持してみせた。また前任の田中達也氏は、2022年度目標でテクノロジーソリューション事業の売上収益3兆1500億円を目指す計画を打ち出していたが、下方修正値でもそれを上回る3兆2000億円としたところにも時田氏の意地が感じられる。

 では、上期決算から見てこの進捗はどうだったのだろうか。2022年度上期(2022年4月~9月)のテクノロジーソリューションの売上収益は、前年同期比0.9%増の1兆4253億円、営業利益は同27.3%増の524億円となった。

 売上収益の進捗度は44.5%、営業利益に至っては16.4%にとどまる。下期偏重型の富士通だが、2021年度上期実績は売上収益の進捗率が46.2%、営業利益は30.4%となっており、比較すると、今期の営業利益の進捗が厳しい状況にあることが分かる。

 一方、2022年度の全社連結業績見通しは、売上収益を前年比3.7%増の3兆7200億円、営業利益を82.5%増の4000億円、当期純利益を53.3%増の2800億円とする。本業ベースの営業利益は3900億円を計画しているが、こちらも上期実績では、売上収益が前年同期比2.5%増の1兆7053億円、営業利益が23.9%増の1009億円、当期純利益が36.0%増の719億円となり、本業ベースの営業利益は2.2%減の747億円となっている。これも進捗度は低い。

 実は、今回発表した上期業績では、営業利益が過去最高を達成している。ここには、PFUをカーブアウトしたことによる一時利益を計上したことがプラスに影響したが、それを加えても、下期には約3000億円を上乗せしなくてはならない計算だ。

 この状況を、自らはどう捉えているのだろうか。取締役執行役員SEVP/CFOの磯部武司氏は「目標達成に100%自信があるのかというと、心配事もリスクもたくさんある」としながら、「だが、できないことを約束するわけにはいかない。達成手段はあり、諦めるほどのネガティブな材料はない」とする。そして、「何を言っても結果を出さないといけない。まだやるべきことはたくさんある。リスクを極小化しながらゴールに向けて着実に積み上げていく」と目標達成に意欲を見せた。

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