APACでネットワーク拡張に注力–Coltテクノロジーサービスの事業戦略

今回は「APACでネットワーク拡張に注力–Coltテクノロジーサービスの事業戦略」についてご紹介します。

関連ワード (経営等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 Coltテクノロジーサービスは2月15日、同社の企業戦略に関する記者説明会を開催した。説明会には代表取締役社長 兼 アジア代表の星野真人氏とマネージング・ディレクター 兼 アジア営業担当 バイス・プレジデントの大江克哉氏が登壇し、同社のグローバルおよび国内事業戦略とビジネス戦略について説明した。

 同社は、英Colt Technology Services GroupのAPAC(アジア太平洋)部門として、法人向けネットワーク、音声、データセンターサービスをグローバルで提供している。「Wherever(どこでも)」「Whenever(いつでも)」「However(どのようにでも)」をミッションに掲げ、APACにおけるデジタルトランスフォーメーション(DX)をサポートするという。

 「Wherever(どこでも)」では、日本だけでなく東南アジアに投資し、自社ネットワーク網(POP)および自社ファイバー網を増設。自社ネットワークがない地域では、高品質のサービスを提供できるパートナーとの協業により、サービス提供能力を向上させるという。

 「Whenever(いつでも)」では、On DemandサービスなどのSDN(Software Defined Network)機能を強化。また、システム面でも、セキュリティや管理システムなどの拡張も行うとしている。

 「However(どのようにでも)」では、専用線からIPアクセス回線まで多様な接続サービスの提供に注力。また音声サービスのクラウド化に対する取り組みにも投資するという。加えて、同社のサービスを利用する顧客の利便性を向上するため、ポータルやアプリケーションなどのデジタル機能への継続的な投資もしていくという。

 星野氏によると、同社のクラウドアクセスおよびIPアクセスの売上高、IPアクセスのトラフィックは2019年から増加している。また、2022年9月時点での同社インターネットバックボーンのトラフィックは、クラウドサービスが46%を占めているという。

 このような背景を踏まえ、同社はクラウド化とSD-WANへの投資を強化。クラウド接続拠点は2023年時点で250拠点。Coltクラウド接続サービスを利用する企業はグローバル全体で約700社、アジアでは170社に上るという。また、200社以上にSD-WANを提供している。

 国内では、1999年に東京・大阪でメトロネットワークを提供し、2017年には名古屋、2019年には京都・神戸に拡張している。最終的には全国を網羅したいとしているが、現時点では広島・岡山・福岡にネットワークを拡張する予定だ。星野氏は西日本を中心に投資する理由として「西日本においてハイパースケーラ―が大きくなってきている。また、海底ケーブルの陸揚げが西日本に集積するため、そこに特化したい」とコメントした。

 次に、大江氏がアジアと国内におけるビジネス戦略について説明した。同社は、デジタルインフラソリューションを土台に、「提供エリア拡大とサービス強化」「システムインテグレーター(SIer)との協業強化」「ハイブリッド製営業モデルの導入」――の3つの柱で成長していくという。

 デジタルインフラソリューションの提供モデルは、「イーサネットインターネットアクセスクラウド接続」「SD-WANソリューション」「フルマネージドSD-WANサービス」となっている。

 同氏によると、日本企業はSIerに対して依存度が高く、サプライヤー選定におけるSIerから高い影響力を受けているという。また、西日本にデータセンターを持つSIerパートナーが多いことから、西日本へのネットワークの拡張によるSIerとの協業がビジネスの成長につながるのではないかとしている。

 同社はアジアの営業体制として、「エンタープライズ営業統括本部」「ストラテジックアライアンス営業本部」「パートナー営業本部」を置き、各社に応じたサービスを提供している。新たに導入したハイブリッド型セールスモデルでは、成長性が高い企業を中心に「エンタープライズセールス」がFace to Faceで営業活動を行う。他方、「テリトリーセールス」と「インサイドセールス」は、同社の顧客ではない企業に対してデジタルマーケティングを活用したビジネス戦略を開始するという。

 また、同氏はグローバルの通信キャリアパートナー間の自動化にも取り組むと説明。製品や価格に関する最新情報を共有する専用ポータルサイトを構築し、API連携により、グローバルキャリアパートナーへのローカルアクセス提供の見積もりからオーダーエントリーまで自動化する。同氏は、「次のステージとして、オンデマンド型で顧客からグローバルパートナーのネットワークを使えるような世界を目指したい」と語った。

COMMENTS


Recommended

TITLE
CATEGORY
DATE
中国はAlibabaのメディア帝国を解体したいと考えている
ネットサービス
2021-03-18 07:28
ベライゾンとAWS、5Gと「Outposts」によるエッジコンピューティングを提供
IT関連
2021-04-06 15:28
仮想通貨批判の的であるエネルギー消費量を95%も削減する二相式液浸冷却式データセンターを展開するLiquidStack
ブロックチェーン
2021-03-30 12:22
リコーと九州大学共同開発によるフィルム形状の有機薄膜太陽電池のサンプルが9月提供開始、「充電のない世界」目指す
EnviroTech
2021-08-20 09:37
自分で住宅をリフォームする人をサポートするスタートアップOutfit
ネットサービス
2021-02-23 08:12
大富豪による宇宙飛行レースも最終局面、ヴァージンのブランソン氏がアマゾンのベゾス氏より早く大気圏外へ
宇宙
2021-07-04 13:49
第29回:ひとり情シスはブラック職場なのか?
IT関連
2021-04-22 07:04
WHO、ヘルス分野におけるAI利用に関するレポート–倫理やガバナンスなど指針
IT関連
2021-06-30 16:56
インテル、裏面電源供給技術「PowerVia」のテスト結果を公開
IT関連
2023-06-08 12:10
現代の複雑な労働環境に学生を送り出す教育機関にできること
IT関連
2023-07-05 13:37
Deno、JavaScript用データストア「Deno KV on Deno Deploy」オープンベータに。分散環境でも強い一貫性、1GBストレージまで無料
Deno
2023-09-07 03:35
成城大学、NGAVとEDRを備えるエンドポイントセキュテリィ製品を導入
IT関連
2021-05-26 05:52
「プロセスオーケストレーション」の実践例に見るスピード感と成果
IT関連
2023-02-10 17:46
スペースXがStarlink衛星60基を追加打ち上げ、予約注文は50万件以上
宇宙
2021-05-06 08:06