「Google Bard」とは–「ChatGPT」対抗でグーグルが発表したAIチャットボット
今回は「「Google Bard」とは–「ChatGPT」対抗でグーグルが発表したAIチャットボット」についてご紹介します。
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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
Bardは、Googleの実験的な会話型AIチャットサービスだ。「ChatGPT」と同じように機能するように設計されているが、最大の違いは、Bardがすべての情報をウェブから取得することだ。
米国時間2月6日、GoogleとAlphabetの最高経営責任者(CEO)であるSundar Pichai氏が声明の中でBardを発表した。発表の時点で、Bardは全く新しいコンセプトだったが、このAIチャットサービスは、2年前に発表されたGoogleの「Language Model for Dialogue Applications(LaMDA)」を利用している。
LaMDAはGoogleの「Transformer」上に構築されている。Transformerは、Googleが発明し、2017年にオープンソース化したニューラルネットワークアーキテクチャーだ。Googleによると、興味深いことに、ChatGPTの基盤となる言語モデル「GPT-3」もTransformer上に構築されているという。
声明によると、Bardの最初のバージョンでは、必要な計算能力が比較的少なく、より多くのユーザーにスケーリング可能なLaMDAの軽量モデルバージョンが使用されるという。Bardは、LaMDAに加えて、ウェブ上のあらゆる情報を利用して応答を作成する。ウェブから情報を取得するので、「新鮮で質の高い応答」を提供できる、とPichai氏は述べている。
Google Bardはまだ一般公開されていない。Pichai氏によると、同社は現在、少数の「信頼できるテスター」たちとBardをテストしているところだという。このサービスは一般公開できる段階に達しているか、そして、責任あるAIに関するGoogleの基準を満たしているかどうかを判断するため、内部と外部の両方のテストフィードバックが考慮される。Googleによると、Bardは2023年2月6日の発表から数週間以内に誰でも利用できるようになる予定だという。
GoogleのBardは慌ただしく発表され、デモでは、BardがJames Webb宇宙望遠鏡(JWST)に関する不正確な情報を提示した。発表の際、GoogleはBardのデモをツイートした。そのデモでは、「James Webb宇宙望遠鏡の新しい発見について、9歳の子どもに何を教えたらいいだろうか」というプロンプトが使用された。
人々は、出力された応答が事実と反することにすぐ気づいた。米ZDNETのStephanie Condon記者が報じたように、系外惑星の最初の写真は2004年、欧州南天天文台の「VLT」(超大型望遠鏡)によって撮影された。
Googleの広報担当者は米ZDNETへの声明で、「これは、厳格なテストプロセスの重要性を示すものだ。われわれは今週、『Trusted Tester』プログラムでそのプロセスを開始する」と述べた。
Bardが発表される前に、GoogleのLaMDAも批判を浴びた。米ZDNETに寄稿するTiernan Ray氏が報じているように、LaMDAが発表された直後、Googleの元エンジニアであるBlake Lemoine氏が文書を公開し、その中で、LaMDAが「感情を獲得」した可能性があると主張した。Googleがその主張を否定し、Lemoine氏に有給休暇を取らせた後、同氏を解雇したことで、この論争は沈静化していった。
ChatGPTは一般公開以降、大きな人気を博している。公開から1週間も経たないうちに、ChatGPTのユーザー数は100万人を突破した。スイスに拠点を置く銀行であるUBSの分析によると、ChatGPTは歴史上最も急速に成長しているアプリだという。ChatGPTの成功を受けて、Googleを含むほかのテクノロジー企業も、この分野が話題になっているうちに参入しようと試みている。
GoogleがBardを発表したのと同じ週に、MicrosoftもAIで改良された新しい「Bing」を発表した。このBingは、検索用に最適化されたOpenAIの次世代大規模言語モデルを利用する。
Googleは、まだ一般公開されていないAIサービスをほかにも開発している。AI製品に関して言えば、同社は慎重に行動し、製品のパフォーマンスに自信が持てるまで公開しないことが多い。
例えば、Googleは画像生成AI「Imagen」を開発した。これが公開されたら、OpenAIの「DALL-E」の有力なライバルになる可能性がある。Googleには音楽生成AI「MusicLM」もあるが、現時点で公開する予定はないという。
MusicLMに関する最近の論文を読むと、Googleは、この種のモデルによって、クリエイティブコンテンツの不正使用、AIの訓練に使用されることが比較的少ない文化に影響を及ぼしかねない偏見、文化の不正使用に対する懸念が悪化してしまう可能性を認識しているようだ。