グループ全体のデータを可視化–経営管理における「Oracle Fusion Data Intelligence」活用法

今回は「グループ全体のデータを可視化–経営管理における「Oracle Fusion Data Intelligence」活用法」についてご紹介します。

関連ワード (ソフトウェア等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 日本オラクルは説明会を開催し、データ分析基盤「Oracle Fusion Data Intelligence」の経営管理領域におけるユースケースを解説した。Oracleはもともと同基盤の原型を「Oracle Fusion Analytics Warehouse」として提供しており、2023年9月にリブランディングを発表した。

 Fusion Data Intelligenceは、業務アプリケーション群「Oracle Fusion Cloud Applications」から会計や人事のデータを収集するほか、必要に応じて外部システムのデータも取り込む。「Oracle Cloud Infrastructure」(OCI)上で稼働するため、さまざまなOCIサービスの活用が可能であり、「Oracle Analytics Cloud」でデータを分析したり、「Oracle Autonomous Data Warehouse」で人手をほぼ介さずにデータベースを管理したりできる(図1)。

 Fusion Data Intelligenceのユースケースは3000を越え、四半期ごとにアップデートされるSaaSアプリケーションと同期する形で増加する。統合基幹業務(ERP)、人材管理(HCM)、サプライチェーン管理(SCM)、顧客体験(CX)の領域に対応しており、顧客は特定の領域から分析に着手し、その範囲を徐々に広げられる(図2)。

 企業は経営層が掲げる目標の達成に向けて、「予算策定」「実行」「予算/実績差異分析」「必要施策の実施」というプロセスを踏む必要があるが、近年はグループ全体での経営管理が難しくなっている。背景には、事業拡大、M&A、新規法人の設立などのグローバル化や、投下資本利益率(ROIC)の重視、ESG(環境・社会・ガバナンス)への対応など、投資家から求められる情報の多様化がある。

 グループ全体と個社/部門では、重要業績評価指標(KPI)が統一されていないほか、分析結果が分断されており、本質的な課題を把握できていないケースが多いという。クラウド・アプリケーション統括 ソリューション戦略統括 ソリューション・エンジニアリング事業本部 ERPソリューション部 部長の大城秀暁氏は「近年はBI(ビジネスインテリジェンス)ツールを活用してデータを分析する動きが見られるが、各部門での分析にとどまっていたり、詳細なデータを確認できなかったりしている」と指摘した。

 Oracleは、業績管理(EPM)ソリューション「Oracle Fusion Cloud EPM」で計画、統合基幹業務(ERP)ソリューション「Oracle Fusion Cloud ERP」で実行、Fusion Data Intelligenceで分析を行うフローを提供している(図3)。Fusion Data Intelligenceは外部システムのデータも取り込めるため、例えば会計の領域のみOracleの製品を利用している顧客は、非財務情報なども含めて一元管理できる。

 経営管理の領域では、出張や経費の予算超過時にアラートを受けたり、売上債権と仕入債務の回転日数を一箇所で確認したりできる。AIを活用することで、過去のデータを可視化するだけでなく、顧客/請求書単位での回収遅延や支払先/請求書単位での支払遅延に関するリスクを予測する。今後は、異常経費データの検出や不正データの検証時間の短縮を行う機能の提供を予定している。Fusion Data Intelligenceにより顧客は、複数の情報を一つの画面で確認でき、分析視点を追加したり、詳細データを確認したりできる(図4)。

 Fusion Data Intelligenceの導入企業について、理事 クラウド・アプリケーション統括 ソリューション戦略統括 インダストリーSE本部 部長の中山耕一郎氏は「提供を開始したばかりなので、お客さまのニーズを見ている段階。国内では、ITの投資額が高くなく、大がかりな分析基盤に投資できていなかった企業も多い。こうした企業には、導入してもらいやすいのではないか」と所感を述べた。

 経営管理領域での利用について、大城氏は「汎用(はんよう)的なソリューションなので、業界を問わずにご利用いただける。企業規模に関しては、年商1000億円から5000億円への引き上げを目指すような企業は、海外拠点を含め子会社の数が多い。グループ全体のデータを可視化したい場合、BIツールで分析するのには限界があるので、こうした事前定義された仕組みを使うのが効果的ではないか」と説明した。

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