AI搭載のアプリ開発に都立中高生が挑戦–4日間の努力が強い自信に
今回は「AI搭載のアプリ開発に都立中高生が挑戦–4日間の努力が強い自信に」についてご紹介します。
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東京都教育委員会は、プログラミングイベント「みんなでアプリ作ろうキャンペーン ハッカソン」の決勝発表を日本マイクロソフト品川本社で開催した。参加者は自分たちで設定した問題の解決に向けて、「Microsoft Power Apps」やAIを活用したアプリを企画・開発。都立学校の中高生計79人が参加し、20グループがアイデアを競い合った。
同イベントは8月5~6日、8~9日の計4日間にわたって開催され、初日はオリエンテーション、課題のアイデア出し・設定、2~3日目はアプリの企画・開発、最終日の午前に予選発表、午後には決勝発表と審査・表彰式が行われた。
教育庁 総務部 デジタル推進課の江川徹氏は同イベントについて、IT人材の育成を目指すとともに、大学の入試科目に追加された「情報I」において、中高生が実際にアプリを作る場を提供するために開催したという。2023年にも同様のイベントを開催しているが、2024年はアプリ開発の完成を目指すことを目標に、1日長く開発期間を設けたほか、各チームにメンターと呼ばれる技術者が入り、アプリの開発まで生徒をサポートした。
審査員は、インプレス PC編集統括部長の鈴木光太郎氏、iiba 代表取締役の逢澤奈菜氏、ヘッドウォータース取締役 ITインキュベーション事業本部部長 BizDev事業部事業部長の西間木将矢氏が務めた。
決勝に勝ち進んだ7チームのうち、最優秀賞に輝いたのは、都立小石川中等教育学校2年生の5人で構成された「DICE」。2023年のイベントには3人で挑戦し、予選を通過したものの入賞には至らず、今回はリベンジも含めて参加したという。
DICEは子どもの悩みを中心に「褒められたい!」をテーマに据え、タスクをこなしてランクを上げて保護者に褒めてもらうアプリ「タスランク」を作成した。同アプリは、子どもが入力したタスクに応じてAIがポイントを提案し、タスクを完了するとポイントがもらえる仕組みになっている。ポイントの基準は、算数ドリル1ページを10ポイント、読書感想文を200ポイント程度で設定。あくまで目安のため、自分で設定することもできる。また保護者側では、子どものタスクの管理や追加ができる。
DICEは、「昔は保護者によく褒められていたが、成長するにつれてコミュニケーションを取る機会が少なくなり、褒めてもらうこともなくなった」という家庭内のコミュニケーション不足を解消するため、保護者と子どもの双方が利用できるアプリを開発したという。
同アプリにはチャット機能も搭載しており、離れている保護者にポイントの現状を送り、コミュニケーションをとることができる。ほかにも、継続することでさまざまな称号がもらえたり、AIが武将や勇者などになりきって褒めてくれたりする機能を備えており、家族間のコミュニケーションだけでなく、タスクをこなすモチベーションづくりにも貢献している。
審査員からは「AIが褒めてくれるというコンセプトが面白い」「褒められたいという分かりやすい課題設定に向けてワクワクする形で解決することが素晴らしい」という評価が寄せられた。
DICEのメンバーに、2025年の参加を考えている人に向けたメッセージを聞くと「AIではできないのではないか、自分では作れないのではないかと決めつけて(アプリを)作ることをやめてしまうのではなく、作ると決めたら自分の作りたいものに向けてできなくても作る、という気持ちが重要だと思う」と語った。