AWS、Elasticとの商標権訴訟が解決–「Elasticsearch」の表現をサイトなどから削除
今回は「AWS、Elasticとの商標権訴訟が解決–「Elasticsearch」の表現をサイトなどから削除」についてご紹介します。
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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
オープンソースの検索・分析エンジンを開発しているElasticが、Amazon Web Services(AWS)に対する商標権訴訟で和解した。訴訟は、AWSが「Elasticsearch」という用語を使用していることに対するものだった。
Elasticが発表した合意内容によると、Amazonは同社のページよりElasticsearchという用語を削除し、「Elastic Cloud Sold by: Elastic」という表現に置き換えるという。すでにAWS Marketplaceではその表現が使われており、AWSで提供されるこのサービスは、「Elastic on Microsoft Azure」および「Elastic on Google Cloud」と同等の扱いになる。またAWSは、同社の「Amazon Elasticsearch Service」を、「Amazon OpenSearch Service」へと改称している。
この論争が勃発したのは2021年初頭のことだ。きっかけは、Elasticが検索・分析エンジンであるElasticsearchと、これに関連するデータダッシュボードである「Kibana」のライセンスを、オープンソースのApache 2.0ライセンス(ALv2)から、より限定的なServer Side Public License(SSPL)へと変更したことだった。
SSPLは、数年前にオープンソースデータベースNoSQLの開発元であるMongoDBが作成したライセンスで、大手クラウドプロバイダーを通じて提供している同製品の収益化に関する問題への対応策として考案されたものだ。
SSPLへの変更時、Elasticでは、この変更によって「当社のデフォルトディストリビューションを無料で利用している圧倒的多数のユーザーコミュニティ」に影響が及ぶことはないとしていた。確かにその通りなのだが、NetflixやLinkedIn、Walmartなど、AWSユーザーとしてAmazon Elasticsearch Serviceを利用していた企業には影響が出る可能性もあった。
米ZDNetでSteven Vaughan-Nichols記者が当時解説したように、Elastic on AzureやElastic on Google Cloudは商用パートナーシップによるサービスとなっていたが、Elastic on AWSはそうではなかったのだ。
Elasticは当時、「今回のライセンス変更は、企業が当社のElasticsearchやKibana製品を、当社との協力関係がないまま直接サービスとして提供することを防ぐ目的がある」としていた。
Elasticがライセンスを変更した数日後、AWSはElasticsearchとKibanaのフォークを作成する方針を示した。その後、AWSのフォークはOpenSearch Projectへと移行し、2021年7月にはバージョン1.0に到達している。時を同じくしてElasticは、ElasticsearchのPythonクライアントを修正、Elasticsearchのフォークでは使えないようにしたと、The Resisterが報じている。
訴訟は、Elasticがライセンスを変更するよりも前から続いていたものだ。Elasticは同社のプロプライエタリなコードをコピーして製品に利用していた企業に対し、訴訟を起こしていた。
Elasticの最高経営責任者(CEO)であるAshutosh Kulkarni氏は、AWSとの商標権の合意に満足しているようだ。
Kulkarni氏はブログ記事にて、「このたび、ElasticとAmazonによるElasticsearchという用語に関する商標権侵害訴訟が解決に至ったことをお伝えしたい。これにより、AWSとAWS Marketplace上のElasticsearchサービスは、Elastic Cloudのみになる」と述べている。
「Elasticsearchは1つしか存在せず、それはElasticが提供するものだ。つまり、AWSやAzure、Google Cloud上でElastic Cloudサービスを使う場合でも、自らElasticsearchをダウンロードして実行する場合でも、最高の体験が得られるということだ。それはユーザーが、この製品を制作した人たちの12年間にもおよぶ絶え間ない開発とイノベーションの恩恵を受けているためだ」