カインズ、Dynamics 365でECの受発注を統合管理
今回は「カインズ、Dynamics 365でECの受発注を統合管理」についてご紹介します。
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ホームセンター大手のカインズは、マイクロソフトの「Microsoft Dynamics 365」ベースの電子商取引(EC)システムを構築し、2021年8月に稼働させた。導入を手がけた日立ソリューションズが発表した。
カインズは、ECにおいてオンライン店舗と「カインズアプリ」の販売経路を運営している。2011年頃からECシステムを利用していたが、これではオンラインや実店舗など多様な顧客接点への対応ができず、デジタルマーケティングなどが困難で、在庫情報がリアルタイムに更新されず在庫切れが発生した場合に、出荷までのリードタイムが長くなることが課題だった。
今回はECシステムの全面的な刷新で、2018年にプロジェクトを開始した。同社は、顧客接点や販売経路を統一し、店舗とECシステム、倉庫に関わる受発注業務を統合管理可能なシステムを目指した。さらに拡張性の高いSoftware as a Serviceを採用し、システム稼働後も経営戦略に沿って新施策を仮説検証型で試すことができ、内製化も可能なシステムを目標にしたという。
日立ソリューションズは、世界中の小売業で使用されているとして、Microsoft Dynamics 365をカインズに提案し、これが評価され受注を獲得した。
新システムでは、オンラインでの受注データに対して注文に引き当て可能な在庫がある場合に出荷を自動で指示し、在庫がない場合は卸に自動発注して、販売機会の損失リスクを低減した。顧客接点と販売経路の情報を統合管理でき、オンラインと実店舗の双方でのマーケティング施策を迅速に実践できるようになったという。
また、オンラインと実店舗の在庫数量のデータがリアルタイムに管理できるようになり、リードタイムが従来の約3分の1に短縮された。受注後の在庫切れによるキャンセル率が半分以下になり、予想外の在庫切れによる急な発注などの対応も不要で現場担当者の作業効率が120%アップしたとする。
さらに日立ソリューションズは、Dynamics 365用プログラミング言語「X++」とノーコード開発ツールを使ってカインズとシステムに一部機能を開発し、アジャイル開発によるシステムの機能拡張および保守の内製化を図った。在庫情報を他のシステムに通知するApplication Programming Interfaceも開発しており、経営戦略に沿った施策を迅速に実行できるようになった。